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 第5回WBCに出場する侍ジャパンの強化合宿が2月17日、宮崎・サンマリンスタジアムで始まった。一部メジャーリーガーを除く26選手が集結。そのなかで一際大きな声を出し、目立っていたのが山川穂高内野手(31=西武)。初めて顔を合わせる選手の間に入って緊張をほぐし、ノックでも率先して声を張りあげた。

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 豪華布陣といわれる侍ジャパン。最年長ダルビッシュ有パドレス)の36歳から、高橋宏斗中日)の20歳まで年齢的にも幅広く、初代表も多い。大会本番までの準備期間は数週間。能力は高くても、寄せ集めの集団が、短期間でいかにまとまることができるかが重要。ベテランと若手の中間層にあたる31歳の山川が、即席チームに欠かせないムードメーカーとして名乗りを上げた格好だ。

 かつて侍ジャパンのムードメーカーといえば、当時ソフトバンク松田宣浩(39)が自チームと同じように、代表でも先頭に立って盛り上げ役を担ってきた。劣勢の場面でも、チームを鼓舞する姿が印象的だったが、山川にとっても憧れの存在だ。2019年にはじめたファン参加型の本塁打パフォーマンス『どすこい』は、松田の代名詞でもある『熱男』から影響を受けたもの。大相撲御嶽海に顔が似ていることから考案し、松田にも報告して「メッチャおもろいやん」とお墨付きをもらった。観客も巻き込んで球場と一体となって盛り上がり、チームにも勢いをもたらす武器が、山川にはある。

 本塁打王3度と球界を代表する大砲も、プロ入り後は五輪やWBCなど国際大会と縁がなかった。19年のプレミア12はコンディション不良で出場辞退したところ、SNSなどで批判を受けた経験があり「心外というか、なんじゃそりゃ、というのが正直あった」。失意もあって成績が下降した時期もあったが、昨季は41本塁打、90打点で打撃2冠王と復活。侍ジャパン栗山英樹監督(61)から「力を貸してください」と直接電話で連絡を受け、18年日米野球以来5年ぶりの代表入りが決まった。

 期待されているのは、盛り上げ役だけではないことも自覚している。合宿初日の打撃練習では、村上宗隆内野手(23=ヤクルト)、岡本和真内野手(26=巨人)と同じ組に入り、柵越えを連発。村上の11発に対し、岡本と同じ13発を放ち、自慢のパワーを見せつけた。

 「みなさんが思っている以上に陽キャ(陽気なキャラクター)なんで」という山川。100キロを超える巨体の元気印が、栗山ジャパンを明るくスタートさせた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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