井上真央が主演を務める金曜ドラマ「100万回 言えばよかった」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系) の第6話が2月17日に放送された。直木(佐藤健)の事件にまつわる新たな事が明らかになるなか、譲(松山ケンイチ)の涙の告白が視聴者の胸を打つ反響を呼んだ。(以下、ネタバレがあります)

【写真】幽霊となった直木(佐藤健)と生きていきたい悠依(井上真央)だったが…

■直木が成仏するためのヒントとは…

同ドラマは、運命だと思った相手を突然失った主人公・相馬悠依(井上)と、悠依の恋人で不可解な事件に巻き込まれて幽霊になった男・鳥野直木(佐藤)、なぜか直木が見えてしまうために2人の運命に寄り添わざるをえない刑事・魚住譲(松山)を中心に描く。

数奇な運命に翻弄(ほんろう)されながらも奇跡を起こそうとする3人が織り成す、“切なくて温かい”ファンタジーラブストーリーだ。

悠依の幸せのため、事件が解決したら成仏することを決意した直木。第6話は、家系として霊が見える譲の姉・叶恵(平岩紙)に会いに行き、自分が成仏していないのは“思い残し”にあるのではと聞いた。

■ただの三角関係じゃない、譲の切ない恋

直木は自分の“思い残し”は、事件のことを知りたいというのもあるが、悠依が心配なのだと考えた。また、ちゃんと思いを伝えてこなかったことも、心残りだった。

直木は譲を通じて、「自分が納得いったら消えたい」と悠依に改めて伝えるが、悠依は「私の返事はもう少し保留にさせて」と答えた。

悠依の元を離れた譲は、直木に「うそでも一緒にいるって言ってあげてよ」と自分の思いをぶつけた。それを聞いた直木は「魚住さんさ、悠依のこと好きなんだろ」と指摘した。

気持ちをごまかしていた譲の真意は、「鳥野直木のことだけをただひたすらに愛している彼女のことが、すごい素敵だって思っちゃったんだよ…。あなたのことを好きな彼女が僕は好きなんだ」というものだった。

松山ケンイチが見せた切なくて温かい名演技

なんという複雑な恋だろう。譲の思いを聞いた直木の心情も察するに余りある。現に“消える”と言っているものの、本当は怖くて仕方がない直木。それで悠依の人生を巻き込むのはありえないが、だからといって他の誰かと恋することは「死んでも嫌だし、そんなこと言ってる俺も嫌だし」と葛藤する気持ちを涙ながらに明かした。

そうはあっても「悠依にはただ笑ってて欲しい。それだけ」と結んだ直木の言葉を聞いた譲は、「もしも、どうしても悠依さんに何か伝えたいことがあったら、僕の身体、使って。見てるのは僕の目だし、聞こえてるのは僕の声だから非常に申し訳ないけど…直接悠依さんと話したいこといっぱいあるだろうし、その時はもう遠慮せず、僕の身体、使ってくださ~い!」と大泣きしながら告げた。

このシーンに対してSNSには、「直木と譲のシーン、胸がぎゅーんとなった」「魚住さんってピュア」「もらい泣きした」といった投稿が続々と寄せられた。

譲を演じる松山は、大河ドラマ「平清盛」(2012年、NHK総合)を始め主演作も多いが、脇を支える役柄でも存在感を放つ。今回のコミカルさが加わった役は、生来の素朴な雰囲気も相まってか、物語に温かさを与える。それと同時に、直木が憑依するときの、直木に思える姿はさすがの演技力だ。

今回もタイトルを略した「#金ドラ100よか」がTwitterのトレンドTOP10入りするなか、「魚住さん」も圏内入り間近という反響を呼んだ。

ただ、そこには心配の声も。たびたび体調不良の描写があったが、ラストで胸や頭を押さえて倒れ込んでしまったのだ。先祖の文献を調べていた叶恵によれば、霊に乗り移られることがある場合「すみやかに霊から離れなければ、命を削られ、やがて命を落とす」とのこと。

前回初登場したお菓子教室を営む千代(神野三鈴)が「ちーちゃん」と呼ばれ、莉桜(香里奈)ともつながりがあったこと、その教室にも出入りする希也(永島敬三)が涼香(近藤千尋)の殺害犯の可能性があることが明らかになり、また、菊地凛子演じる新たな幽霊も登場。ミステリーが色濃くなって考察が進みながら、悠依、直木、譲の恋からも目が離せない展開となっている。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

霊が見える家系の刑事・魚住譲を演じる松山ケンイチ/(C)TBS