山手線

東京のど真ん中、円を描いて走り抜けるJR山手線。30ある駅は、それぞれ特徴があり、行き交う人々の雰囲気もまったく異なっている。

今回は、男女1,000人に「山手線で『お金持ちな人』がたくさんいるイメージのある駅はどこですか?」と聞いてみた。30駅の中でもっともカネの匂いのする駅はどこだ!?


■「お金持ちイメージ」山手線ベスト5駅は…

Sirabee編集部が、全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、最多得票となったベスト5駅は次の通り。

山手線で「金持ちがいる」イメージがある駅は?

それぞれ異なる駅の魅力や特徴を解説していく。


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 ■1位「恵比寿」金持ちが遊ぶ華やかな街

1位は恵比寿東京都渋谷区)。得票率は23.0%で、約4人に1人が「恵比寿=金持ち」と思っていると判明した。恵比寿は先日公表した「おしゃれイメージのある山手線の駅」でも1位を奪取し、今回で2冠。恵比寿は金持ちでおしゃれ。東京の中で一番イケてる山手線駅なのは間違いない。

筆者の周りに恵比寿のイメージを聞いてみると「トレンドを突っ走る店が多い。お金をたくさん持った社会人が夜な夜な楽しんでいるイメージ」(20代女性)、「恵比寿に住んでみたくて憧れる。でも家賃が高くてお金持ちしか住めない!」(30代女性)などの声があった。

恵比寿はデートや飲み会でも人気の店が多い。芸能人や人気YouTuberも出没しては、度々週刊誌に写真を撮られている。また恵比寿は、地下鉄日比谷線の乗換駅でもある。

恵比寿を出ると広尾、六本木へと続き、銀座などのセレブな駅にも停車。日比谷線からもカネの運気がどんどん運ばれてくるに違いない。


■2位「目黒」ハイソで落ち着いたお金持ちが集う

2位は目黒(東京都品川区)で15.1%の人が投票。恵比寿の隣に位置し、「落ち着いた大人の街」というイメージがある。洒落たビストロや隠れ家の名店が多く、グルメな人々は目黒に敏感だ。

そんな目黒のイメージを聞けば、「派手なお金持ちではなく、本物を知る真のお金持ちがいそう」(20代男性)、「目黒といえば、高級住宅街の花房山。憧れます」(50代女性)などの声があった。

目黒駅から少し歩けば閑静な住宅街があり、桜の名所として有名な目黒川や、緑豊かな庭園が魅力の東京都庭園美術館もある。都会であっても自然と融合した街で、大人が落ち着いて過ごせるエリアだ。

目黒は地下鉄南北線の乗換駅でもある。目黒を出ると白金台、白金高輪、麻布十番と続き、ザ・高級住宅街へと直結。南北線からも上品でハイソな空気が持ち込まれるのは間違いなさそうだ。

 ■3位「目白」華麗なる一族が行き交う別格の街

3位は目白(東京都豊島区)で11.3%。池袋と高田馬場に挟まれた小さな駅で、乗り換え路線もなく、地味な駅というイメージを持つかもしれない。しかし、目白といえば「ザ・名門」。

皇族をはじめ、名だたる名家の子供が通う学習院がここにはある。ほかにも名門私立学校が多く、特別なオーラを纏う文教地区だ。

明治期から昭和にかけて、華族や文化人が邸宅を構えた地としても知られ、閑静な住宅街が広がっている。その雰囲気は、まさに別格。「成金ではない、代々続くお金持ちの人が多いイメージ。ポッと出の金持ちとはまったく違うオーラがある」(50代女性)との声があった。

目白は直結する乗り換え路線がなく、山手線のみ。ほかの路線から雑多な空気が入ることはなく、目白駅特有の静かな品格を醸成し続けているのかもしれない。


■4位「東京」息が止まりそうになる高層ビル群

世界に名だたるスーパーシティ・TOKYOを名前に冠した東京駅東京都千代田区)が4位。得票率は9.9%。東京駅の改札を出ると、八重洲、丸の内エリアのまぶしい高層ビル群があなたを出迎える。「上京したときは高層ビルに驚いて、息が止まりそうでした」(30代男性)と思い出も語る人も。

とくに丸の内は日本屈指のオフィス街で、大手銀行・証券会社も本社も集結。まさにカネが集まり、カネが踊る街。「特に丸の内を歩く人はみなシュッとしたエリートが多くて、全員がお金持ちに見えます」(20代女性)などの声があった。

八重洲口には高級ブランドを擁する大丸百貨店、少し足を延ばせば、同じく百貨店が並ぶ日本橋や銀座エリアにも行ける。また界隈にはセレブ御用達の高級ホテルも多い。

駅直結のシャングリ・ラ東京をはじめ、最高峰のアマン東京やパレスホテルも徒歩圏内。お金持ちが集まる街は、自然と単価の高い施設が集うのだ。


 ■5位「品川」タワマンライフを謳歌する住民たち

5位は品川(東京都品川区)。周辺にはオフィスビルが立ち並び、ソニーをはじめ一流企業の本社も集まるビジネスの中心地だ。工事中リニア中央新幹線の始発駅でもあり、隣駅の高輪ゲートウェイと合わせて、周辺の再開発も始まっている。

オフィスだけでなく、住まいもカネの匂いが漂う品川。港南エリアをはじめ、周辺にはタワーマンションが多く立っている。

「品川といえばタワマンが多いイメージ。庶民が思い描くようなセレブライフを謳歌しているに違いない!」(30代女性)、「バーキンを持った派手なママが品川のタワマンに向かっていった」(40代女性)などの声があった。

また車のナンバープレートに言及する人も。「車は品川ナンバーが最強でしょう。品川駅周辺を走る車はベンツレクサスなど高級車がとにかく多い気がする」(40代男性)など、品川というブランド力のパワーを感じさせるコメントも聞かれた。

■金持ちイメージのない「ワースト3」は……

お金持ちのイメージが最も少ない、ワースト駅は3つ。大塚(東京都豊島区)、田端(東京都北区)、田町(東京都港区)で、わずか得票率0.1%だった。この3駅、じつは都内に住む人であっても、どんな駅なのかイマイチ明言できない人も多いのではないだろうか。

大塚駅は庶民的な雰囲気で、気取らずふらっと入って、安く飲める居酒屋も多い。レトロな都電荒川線の乗換駅で、トロトロ進むトラムがのんびりした下町風情を演出している。

田端は、JR東日本の東京支社や、田端運転所や尾久車両センターがあるなど、鉄道の聖地として発展してきた。しかし、お金持ちのイメージがあるかといえば、残念ながらそうではないようだ。

最後のひとつ、残念な駅に入れられてしまった田町。これに筆者は異議を唱えたい。田町は徒歩圏内の芝浦エリアにはタワーマンションが多く、お金持ちがいてもおかしくない駅なのだ。駅前には港区スポーツセンターがあり、お金持ちの代名詞もと言える「港区住民」の憩いの場となっている。

田町がワーストに入ってしまったのは「お金持ちがいない」というよりも、知名度の問題なのかもしれない。どっちみち残念であると、ため息をつき、興味深い調査結果を締めくくろう。


■執筆者プロフィール

東香名子

Sirabeeでは、鉄道トレンド総研所長の東香名子さんの連載コラム【鉄道トレンド調査隊】を公開しています。毎回、鉄道に関する調査を行い、解説する連載です。今週は「山手線で『お金持ちな人』がたくさんいるイメージのある駅を調査」を掲載しました。

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(取材・文/東香名子

【調査概要】 方法:インターネットリサーチ 調査期間:2022年11月26日~2022年11月28日
対象:全国10代~60代男女1000名(有効回答数)

「お金持ちが多いイメージがある山手線駅」ランキング 2位は目黒、1位は…