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 レンジャーズからFAとなり、ソフトバンクに新加入した有原航平投手(30)の調整遅れが心配されている。春季キャンプでは調整を一任されているが、ピッチはなかなか上がってこない。日本ハム時代は、19年に最多勝を獲得するなど通算60勝をマーク。その後メジャー挑戦も、2年間で3勝と不本意だっただけに、名誉挽回の思いは強い。

 有原のように、プロ野球で先発として実績をあげ、米挑戦後、再び日本に戻った投手の復帰1年目はどうだったのか。勝利数順に成績をまとめた。

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メジャー挑戦した主な先発投手の日本復帰1年目】

和田毅(16年、ソフトバンク
15勝5敗、防御率3.04

伊良部秀輝(03年、阪神)
13勝8敗、防御率3.85

石井一久(06年、ヤクルト
11勝7敗、防御率3.44

黒田博樹(15年、広島)
11勝8敗、防御率2.55

大家友和(10年、横浜)
7勝9敗、防御率.59

高橋建(10年、広島)
4勝5敗、防御率9.30

田中将大(21年、楽天)
4勝9敗、防御率3.01

小宮山悟(04年、ロッテ
3勝4敗、防御率5.22

川上憲伸(11年、中日)
3勝1敗、防御率2.83

吉井理人(03年、オリックス
2勝7敗1S 防御率6.51

井川慶(12年、オリックス
2勝7敗、防御率4.65

藪恵壹(10年、楽天)
0勝0敗、防御率4.91

高橋尚成(14年、DeNA
0勝6敗、防御率5.29

松坂大輔(15年、ソフトバンク
登板なし

岩隈久志(19年、巨人)
登板なし

 日本でエース級の成績を残した名だたる投手ばかりだが、復帰初年度の2ケタ勝利は4人と少ない。

 最も勝ち星を挙げたのはソフトバンク和田の15勝。メジャーでは左ひじのトミー・ジョン手術を受けるなど4年間で5勝と苦しんだが、日本復帰1年目に最多勝の活躍。6年ぶりタイトル獲得で健在ぶりを示した。

 阪神入りした伊良部は03年に13勝を挙げ、チーム18年ぶりのリーグ優勝に貢献した。黒田は広島復帰1年目に11勝、翌16年シーズンには10勝を挙げ25年ぶり優勝の原動力になった。11勝の石井一は日本復帰後、ヤクルトと西武で2ケタ勝利を3度マークした。

 意外だったのは4勝の田中将大。21年にプロ野球最高年俸9億円(推定)で楽天に復帰し、先発ローテとして試合はつくっても援護に恵まれない展開が続いた。楽天で初優勝した13年に24勝0敗、メジャーの名門ヤンキースで7年間78勝という圧倒的な実績を考えれば、日本復帰1年目の物足りなさは否めない。

 メジャーから戻ってすぐに活躍できるほど、プロ野球も甘くない。苦戦の要因は、渡米後に故障した影響だったり、環境変化に対応できずに調子を落としたり、年齢的にピークを越えていたり…。日本に戻っても、かつてのように輝ける選手ばかりではないことを、データが示している。

 調整途上の有原には、渡米直後の21年に右肩を手術した影響を懸念する声も出ている。「日本復帰1年目の先発投手は苦戦傾向」のデータを、結果ではね返すことができるか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【データ】メジャーから出戻りは苦戦!日本復帰1年目2ケタ勝利わずか4人