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新時代のフラッグシップSUV

ポルシェカイエンの改良新型が今春に発表される予定で、その開発テストも大詰めを迎えている。一方で、EVの後継車種の開発もすでに進行中である。

【画像】ポルシェの最多販売SUV、大幅アップデートへ【改良新型カイエンのプロトタイプを写真で見る】 全20枚

EVのカイエンは、マカンEV 、新型SUVの「K1」に続いて2026年に発売が予定されている。過去20年間にわたってポルシェの成長を支えてきたカイエンの、重要なポジションを引き継ぐことになる。

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EVのカイエンは、現行モデルと異なるデザインが採用されるだろう(画像は予想レンダリングCG)。    AUTOCAR

カイエンEV(正式名称は未定)は、マカンEVやアウディQ6 eトロンと同じPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)アーキテクチャを採用する予定だ。カイエンのトレードマークであるスポーツカー並みのダイナミクスを継承するために、先進のトルクベクタリング技術と四輪操舵機能が搭載される見込みである。

PPEアーキテクチャでは、270kW以上の高速充電に対応する800Vのシステムの搭載が確認されている。マカンEVでは100kWhのバッテリーを搭載し、480km以上の航続距離を見込んでいるが、新しいモジュールプリズムバッテリーは車両ホイールベースに応じてサイズを拡大・縮小できるため、大型のカイエンではさらなる航続距離が期待できる。

駆動用モーターは2基の永久磁石式で、現在タイカンで使用されているモーターよりも高い効率と出力密度を実現している。マカンEVは最高出力611psと最大トルク102kg-mを発揮するなど、パフォーマンスは従来のバージョンを大きく上回る予定だ。もしそれがカイエンEVに反映されれば、現在のカイエンSやGTSよりもかなりパワフルなものになるだろう。

ポルシェはEVのカイエンについてこれ以上の詳細を明らかにしていないが、2030年に販売台数の80%以上をEVにするという目標を掲げる同社にとって、重要な役割を担っていることは間違いない。

EVのカイエンは、少なくとも当初は内燃機関モデルと並んで販売されるようだ。今春に発表される改良新型では、エンジンラインナップの見直しやスタイリングの変更など、大幅なアップデートが行われる予定だ。しかし、マカンと同様、EVモデルとの関係は車名だけで、デザインやシルエットも異なるものになると予想される。

ポルシェにSUVが必要な理由

過去20年間、ポルシェのベストセラーはカイエンとマカンの2車種であった。これは性能と実用性の両立を望む購入者の増加によるものだ。

昨年もカイエンが9万5604台、マカンが8万6724台販売され、ポルシェの売り上げを牽引した。2車種だけで全世界の販売台数30万9884台の約59%を占めている。特に北米や中国は重要で、2022年にはこの2つの市場が世界販売台数の55%を占めた。

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ポルシェの世界販売において、カイエンとマカンが圧倒的な存在感を放っている。    AUTOCAR

EVのカイエンも、この2つの市場が鍵を握っていると考えられる。

一方、新型SUVの「K1」は、価格・サイズともにカイエンを上回る見込みだが、販売台数では超えることはないだろう。それでも15万ポンド(約2400万円)を超えると予想される価格設定により、大きなマージンが生まれるだろう。


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