チャンピオンズリーグ(CL)・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)ファーストレグが21日に行われ、レアル・マドリードリヴァプールの本拠地『アンフィールド』に乗り込んで5-2の大勝を飾った。試合後、UEFA欧州サッカー連盟)の公式HPがレアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティ監督のコメントを伝えている。

 昨季のCL決勝戦と同様の対戦カードとなった一戦では、リヴァプールに2点を先行され、レアル・マドリードにとっては“最悪”のスタートとなった。だが、2点ビハインドとなってから“白い巨人”が牙を剥く。21分、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールがペナルティエリア内で相手に囲まれながらも一振りでゴールネットを揺らすと、続く36分にも相手のミスからヴィニシウスが同点ゴールを記録。後半立ち上がりにはセットプレーからブラジル代表DFエデル・ミリトンがヘディングシュートで逆転弾を沈めた。55分と67分には元フランス代表FWカリム・ベンゼマのゴールで点差を広げ、試合はタイムアップ。終わってみれば昨季のCL王者がその底力を存分に発揮する一戦となった。

 試合後、アンチェロッティ監督は「今日の試合は我々にとって喜ばしい結果が得られた」と敵地での先勝を喜んだ。「だが、大会はノックアウトステージだ。今日の試合はあくまで前半戦に過ぎず、ホームでのセカンドレグで苦しめられることを想定しなければならない。そこに向けて努力を積み重ねる必要がある」と続け、勝利の余韻に浸るだけでなくセカンドレグに向けて気を引き締めている。

「試合の立ち上がりにリヴァプールが発揮したパフォーマンスを思い出せば、彼らが素晴らしいチームであることは一目瞭然だろう。彼らの力を考慮すると、残念ながらこの戦いはまだ終わっていないと言える」

 試合内容の部分については「もちろん、このようなスタートを切るとは思っていなかった」と正直に明かした。「0-2になった時、昨季のCL準々決勝、アウェイでのマンチェスター・C戦のことが頭をよぎった。同じことできればと思っていたが、最終的にはそれ以上の結果となったね」と話しただけでなく、「彼らは左サイドリヴァプールにとっての右サイド)から我々にダメージを与えていた。我々の攻撃が良くなるのを見て、(フェデリコ・)バルベルデをその危険な場所に少し移動させた。その後は守備も良くなった」と続け、ポジションの“微調整”によって主導権を手繰り寄せたことも明かしている。

 また、アンチェロッティ監督は2点ビハインドの前半に2ゴールを決め、レアル・マドリードを蘇らせたウインガーにも言及。「あくまで私の考えだが」と前置きした上で、「今現在、ヴィニシウス・ジュニオールは世界一決定的な仕事ができる選手、つまり常に試合結果を好転させられる選手だと思う」とコメント。ドリブルやスピード面だけでなく、近年は決定力にも磨きをかけるレアル・マドリードの“若きエース”を手放しで称賛した。

2得点でリヴァプール撃破に貢献したヴィニシウス [写真]=Getty Images