昨年4月、アイルランド在住の男性が庭で飼っている雄鶏に襲われた。足に深さ1.5センチの傷を負った男性は持病もあり、大量出血したのちに死亡したという。この雄鶏はかつて男性の幼い孫にも襲いかかったことがあるそうで、亡くなった男性の娘は「雄鶏が危険だと分かった時に処分するべきだった」と話している。英ニュースメディア『Metro』『The Mirror』などが伝えた。

アイルランド中西部にあるバリナスロー在住のジャスパークラウスさん(Jasper Kraus、67)は昨年4月、庭で飼っていた雄鶏に攻撃されて足に深さ1.5センチの傷を負った。その傷からの大量出血により心臓発作を起こしたジャスパーさんは、それから1時間足らずで息を引き取った。

そして今月上旬に死因審問が行われ、ジャスパーさんの娘バージニア・ギナンさん(Virginia Guinan、33)が当時の状況についてこのように明かした。

「昨年4月28日、父は愛犬の墓参りのため庭に出ていたところ、後ろから雄鶏に襲われました。それは本当に悪質かつ残忍な攻撃で、雄鶏の蹴爪(けづめ)が父の左足に突き刺さったのです。大量に出血しながらも父は何とか家の中に戻り、下宿しているコリーさん(Corey O’Keeffe)に助けを求めて救急車を呼んでもらったそうです。でも救急車が到着する前に父は意識を失いました。私が現場に到着した時には床一面が血だらけで、救急隊員による心肺蘇生が行われていましたが父は助からず、その場で死亡が確認されたのです。」

「検死の結果、死因は重度の動脈硬化と致死性不整脈でした。ラマダン・シャトワン医師(Dr Ramadan Shatwan)によると、大量出血に加え心臓への血液供給が滞っていたことも一因だったとのことです。父の心臓が悪いことは知っていたし、当時はがんの寛解中で薬を飲んでいましたが、たった1か所の傷が致命傷になるなんて…家族全員がショックを受けました。父が亡くなった後、私は床に残った血を掃除しなければならずトラウマになりました。このような悲劇を経験した家族にはもっとサポートが必要だと思います。」

実はこの雄鶏、以前はバージニアさんが飼っていたそうで、ジャスパーさんが襲われる1年ほど前にバージニアさんの娘ジョシーちゃん(Josie、3)に襲いかかっていた。

その時バージニアさんは雄鶏を処分しようとしたが、元動物調教師であるジャスパーさんがそれに反対し、雄鶏を引き取ると申し出たそうだ。

「危険だと分かったあの時、その場で処分するべきでした」と語るバージニアさんは、鶏の飼育について次のように注意喚起している。

「人々は新鮮な卵を食べたいと思って鶏を飼っています。でも危険なのは牛や馬のような大きな動物だけではありません。比較的安全と言われているブラマ種(アメリカ原産の鶏)でさえも注意が必要です。この品種は穏やかで優しい性格のはずなのに、なぜこんなことになったのか分かりません。鶏を飼う人々は危険な兆候に注意し、攻撃されそうになったらすぐに処分すべきです。鶏の攻撃によって人が亡くなることは非常に稀で信じられないことですが、起こり得ることなのです。鶏を飼うことは家族にとって大きなことであり、特に子供たちを巻き込む可能性があることを知ってほしいです。」

画像は『New York Post 2023年2月15日付「Irish man killed by chicken in vicious barnyard attack」』『Metro 2023年2月16日付「‘Aggressive’ chicken who attacked and killed his owner pictured」(Picture: Virginia Guinan / SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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