2000年から2020年にかけて放送された大人気犯罪捜査ドラマ「クリミナル・マインド／FBI vs. 異常犯罪」。プロファイリングによって犯人像を導き出し異常犯罪を解決に導くFBIの行動分析課、通称BAUを描く本作の新シーズン「クリミナル・マインド／FBI vs. 異常犯罪：エボリューション」第1話が2月22日にディズニープラスのスターで独占配信開始。全10話で毎週水曜日に1話ずつ配信予定だ。過去15シーズンは基本1話につき1つの事件を扱う、いわゆる1話完結型として展開してきたが、2年ぶりの新シーズンでは1シーズンを通して1つの事件に挑むことがすでに発表済み。第1話では、シリーズ史上最大の凶悪犯による連続殺人事件の始まりの他、不在キャラクターの現在やロッシの激変ぶりなどが描かれ驚きの連続の回になった。(以下、ネタバレを含みます)
■BAU新体制で挑む15年がかりの連続殺人事件
事件のはじまりは遡ること2005年。ワシントン州ヤキマ郡にぽつんと佇む立ち入り禁止と書かれたコンテナに少年が連れ込まれ殺害される。それから月日が経ち、2022年になってそのコンテナが発見された際には16人の遺体があった。
現場に派遣されたタラ・ルイス(アイシャ・タイラー)は間違いなく連続殺人犯の犯行だと推理し、BAUの捜査協力を要請。これを受けたエミリー・プレンティス(パジェット・ブリュースター)は上司の説得を試みるが、許可を得られない。
その頃、デヴィッド・ロッシ(ジョー・マンテーニャ)、ジェニファー・“JJ”・ジャロウ(A・J・クック)、ルーク・アルヴェス(アダム・ロドリゲス)といったメンバーは残忍な一家惨殺事件の捜査を担当。久しぶりに見るロッシに胸が高鳴ったのも束の間、かつての清潔感溢れる紳士的な面影はなく、自暴自棄で仕事中心の生活を送っていた。
予算削減＆チーム体制の変化の影響も受けて、うまくチームワークを発揮できないロッシたち。さらにタラが担当する事件との繋がりも発覚する。
これだけ長い期間、人目につかないよう犯行を繰り返してきた犯人は大胆だが計画的で、その残忍さはこれまで対峙してきた凶悪犯たちと比にならないほど。ロッシたちが様々な事件を解決していた間、こんなにも恐ろしい凶悪犯が野放しになっていたのかと思うと絶望に打ちのめされそうになる。
■ポストコロナが反映された世界観
作品が中断していた2020年から2022年はちょうど新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっていた頃。なにもかもがストップしていたこの期間に「クリミナル・マインド」の新シーズンの企画は進行していた。かつては放送向けに製作されていたが、配信に移行。これによって色々な制限から解放され、言葉遣いや過激な描写など格段に表現の幅が広がり、より進化した「クリミナル・マインド」が誕生した。
作品の中でも、連続殺人犯が2020年を境に新たな犯行に動いていないことで、新型コロナウイルスが原因ではないかと推測されるなど、現実とリンクした物語が展開。BAUでも情報分析官はリモートワークが導入されており、ポストコロナが反映された世界観になっている。
製作時から大々的に報じられていたのが、スペンサー・リード役マシュー・グレイ・ギュブラーの不在。シリーズの中でも1位2位を争う人気キャラクターだっただけに、この報道は大きな衝撃を与えた。作中では登場こそしなかったものの不在の理由への言及があり、スペンサーはダニエル・ヘニー演じるマシュー・シモンズと共に極秘任務に就いていることが明らかになった。
BAUを離れたといえば、ペネロープ・ガルシア(カーステン・ヴァングスネス)も。ユーモアを兼ね備えた情報分析官としてみんなから愛されていた彼女はシーズン15最終話で卒業を発表していたが、なんと元気な姿で登場！
ガーリーな部屋でお菓子作りクラブを楽しんでいたガルシアに連絡したのはルーク。ガルシアは捜査への協力を断ろうとするも、画面に向かった時のアドレナリンと情報を引き当てた時の快感に抗えず、再び復帰することに。以前ルークはガルシアをデートに誘っていたこともあり、久しぶりの2ショットにドキドキ！今後の二人の関係にも注目したい。
■衝撃を隠せないロッシの激変ぶり
シリーズの見どころのひとつであるキャラクター描写もボリュームアップ。最も衝撃を受けるのはロッシの激変ぶりだ。シーズン15最終話では再婚した元妻クリスタルと幸せな生活を送っていたが、戻ってきたロッシの傍にクリスタルの姿はなく、事件の写真がいたるところに散らばった部屋で、資料片手に食事を済ませる生活を送っていた。
どうやらこの2年の間にクリスタルは亡くなったらしく、いまだにその喪失を受け止められていないようだ。捜査が思うように進行しない苛立ちをルークにぶつけるなど、長年の同僚も困惑するほどの変貌ぶりに驚きを隠せない。なぜ死んでしまったのか、現時点で詳細は語られていないが、今後のエピソードで明かされるかもしれない。
◆文＝KanaKo
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