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 今オフ、中日ドラゴンズはレギュラー選出の放出で話題となり、チームがどのように生まれ変わるかファン、関係者からの視線を集めている。昨年11月、それまで長くチームの中心的存在だった阿部寿樹(33)、京田陽太(28)がトレードで楽天DeNAへ移籍。攻守での主力を担っていた二人がいなくなったことで、大幅にレギュラー陣の顔ぶれが変わることは必至だ。特に、センターラインである二遊間のポジションをどの選手が掴むのか、就任2年目の立浪和義監督によるチーム作りの大きなテーマの一つだ。

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 昨季、シーズン後半から遊撃のポジションを掴んだ龍空(20)がもっともレギュラーに近いとされるも、新人によるポジション争いが繰り広げられるとの声は根強く、田中幹也(22)、村松開人(22)に加え、社会人ルーキーの福永裕基(26)も候補として名を連ねる。他にも、溝脇隼人(28)、石垣雅海(24)、高松渡(23)といった中堅、若手プレーヤー定位置獲りを狙っている。

 低迷脱却のためには二遊間のレギュラー固定は至上命題。ほぼ横一線から再スタートとなるポジション争いについて、かつて中日で一時代を築いた2人の大物OBも持論を展開している。

 現役時代、中日の二遊間を守り、「アライバコンビ」として高い守備力を誇った井端弘和荒木雅博の両OBがYouTubeチャンネル『【イバTV】井端弘和公式チャンネル』にて今季の中日の内野陣について語っており、2月21日に配信された「荒木コーチもガックリ…コーチは大変なんです…【アライバ対談#4】」において、二遊間の守り方やそれぞれの現役時代、指導内容にも話題が及んでいる。

「二遊間に対しこうなって欲しいなっていうことは?」井端氏のこの問いかけに対し、中日一軍スタッフである荒木コーチが「基本的なことを教えていく。少年野球でやったような基本の部分」と返答。

 それに対し井端氏が「結局はそこ」と基本がもっとも重要と頷いており、その上で「一人前になるまでに必要な時間は3年ではない。5、6年くらいは必要。すべてのことを任せられるくらいになるのは20代後半くらい」として、若手中心となるポジション争いでの選手の成長には時間がかかると見解を述べている。

 さらに「打球によって(守備の姿勢の)使い分けは必要。俺は難しい打球ほど適当に、簡単な打球ほど丁寧にやっていた」と自身の現役時代を振り返っている。

 また荒木コーチも「土田(龍空)もすごく上手く見えるタイプだけど、まだ物足りなさがあったりする」として、レギュラーを掴むためにはさらなる向上が必要と指摘。加えて、今季の中日二遊間のポジション争いに関しても「一人前になる前の準備段階、土台作りの時期」として、多くの選手が成長過程であることを強調した。

 他にも「今年のドラゴンズの二遊間は見もの」と両OBが新シーズンへの印象も語っている。かつて、チームの顔でもあった二人の展望の通り、若きプレーヤーの育成をどれだけ行えるかが、今後の中日球団の未来を大きく左右することは間違いないだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

中日二遊間のレギュラー争いに”アライバコンビ”が見解!「一人前になるまでは5、6年が必要」