2023年4月からコンサートホールのオルガニストとして徳岡めぐみと、ジャン=フィリップ・メルカールトの両氏を迎えることになりました。お二人はこれまで国内外で研鑽を積み、幅広いレパートリーで様々な演奏活動を続けてきたほか、各地のホールオルガニストを務め、教育機関でも熱心に指導育成を行ってきました。豊かな経験と実績に裏打ちされた確かな実力と柔軟性を兼ね備えたアーティストです。
今後、東京芸術劇場では新オルガニストと共に、複数の音楽様式を専門的に演奏することができる当劇場のパイプオルガンの特徴を活かした新たなプログラムをお届けして参ります。
オルガニストの就任記念公演は、6月22日(木)に開催を予定しております。どうぞご期待ください。

なお、現在オルガニストを務めている小林英之は、オルガン・アドバイザーに、長年に渡り副オルガニストを務めてきた新山恵理、平井靖子、川越聡子は2023年3月をもって退任します。
■新オルガニスト ~ 就任コメント

この度、私たち二人は、ここ東京芸術劇場のオルガニストを引き継ぐことになりました。正オルガニストの小林英之さん、副オルガニストの新山恵理さん、平井靖子さん、川越聡子さんが、長年にわたり世界に誇るガルニエ社のパイプオルガンを守り、そして多くの方々に感動を与えて来られたことに心から敬意を表します。「回転するオルガン」として3つの異なる様式を備えたこのパイプオルガンは、ヨーロッパでも非常に有名で、また現在に至るまで他のどの場所にもみられません。

パイプオルガンは時代・国ごとに発展していますので、この3つの様式がルネサンスからバロックモダンに至るまでの400年にわたるオルガン音楽のそれぞれふさわしい響きを可能にしていることは、オルガニストにとってまさに理想の楽器といえます。

日本よりパイプオルガンが身近な存在である欧米でも、教会の楽器というイメージが強く、クラシックの世界ではどこか境界線が引かれていますが、近年になってようやくその状況を変えようという動きが広まりつつあります。もちろん、教会とつながる楽器として大切な役割を担っていますが、日本では大規模なパイプオルガンは主にコンサートホールに設置されてきました。これまではひたすら欧米から影響を受けてきましたが、何にも縛られない日本のコンサートホールのオルガンが、これからは世界に独自のオルガン文化を発信していける可能性を感じています。まだまだ浅いながらも私たちの経験を活かしながら、この場所で何をしなければいけないか、またさらに若い世代のオルガニストにどう引き継いでいかなくてはならないかをじっくり考え、私たちの役目を果たしたいと思っています。

より多くのオルガニスト、そしてより多くの聴衆の方々とこの東京芸術劇場のパイプオルガンをつなぐことができるように、まずはスタートをきりたいと思います。日本人+ヨーロッパ人のオルガニストというコンビネーションで、新たな「芸劇のオルガン」の顔を皆さまにお見せできるように盛り上げてまいります。どうぞ応援をよろしくお願い申し上げます。

徳岡 めぐみ
ジャン=フィリップ・メルカールト


■新オルガニスト ~ プロフィール

徳岡 めぐみ (オルガン) TOKUOKA Megumi, Organ
東京藝術大学音楽学部オルガン科卒業、同大学院音楽研究科修了。安宅賞受賞。ドイツ国立ハンブルク音楽大学卒業。2001年オランダアルクマールでのシュニットガー国際オルガンコンクールで優勝、併せて聴衆者賞も獲得する。同年、ハンブルク音楽大学でDAAD賞を受賞し、受賞記念コンサートをハンブルクの聖ヤコビ教会で開催する。2002年北ドイツ放送(NDR)音楽賞国際オルガンコンクールで2位を受賞する。帰国後、各地のコンサートホールや教会などで演奏活動を行うほか、ヨーロッパでもコンサートを行う。近年、能楽やプロジェクション・マッピングとのコラボレーションでコンサートを行うなど、オルガンの新たな可能性を模索している。現在、豊田市コンサートホールオルガニスト、東京藝術大学非常勤講師、東京音楽大学非常勤講師、片倉キリストの教会オルガニスト、国際基督教大学オルガニスト。CDは「シューマンブラームス オルガン作品集」(ベルギー)、「豊田市コンサートホール オルガン設置10周年記念」、「ベツレヘムに生まれし幼子 ハンブルク聖ヤコビ教会 アルプ・シュニットガー・オルガン」(ドイツ)、「ブクステフーデ オルガン作品集」(ドイツ)をリリース。

ジャン=フィリップ・メルカールト (オルガン) Jean-Philippe Merckaert, Organ
ベルギー生まれ。パリ国立高等音楽院でオルガンオリヴィエラトリーミシェル・ブヴァールに師事し、2005年プルミエ・プリを得て卒業。ベルギーではブリュッセルのベルギー王立音楽院にてジャン・フェラーにオルガンを師事し、2008年修士号を取得。モンス王立音楽院にてクラシック作曲法を学び、2007年修士号を取得。2007年、フライベルクにおけるジルバーマン国際オルガンコンクール第2位、2009年、ブルージュ国際古楽コンクールオルガン部門第2位受賞。
2003年から1年間札幌コンサートホールKitara専属オルガニスト、2011~14年まで所沢市民文化センター ミューズ ホールオルガニストを務めた。現在、那須野が原ハーモニーホールオルガニスト、聖グレゴリオの家宗教音楽研究所講師、片倉キリストの教会オルガン教室講師。近年、オーケストラ曲の編曲にも力を入れており、様々な演奏会で好評を得ている。CDは「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ ライプツィヒ手稿からのコラール集(2枚組)」(スイス)、「フランク、ドビュッシーサン=サーンス オルガン編曲集」(パリ)、「シャルルマリーヴィドール オルガン交響曲 第5番」(那須野が原ハーモニーホール)をリリース。


■出演予定公演

東京芸術劇場パイプオルガンコンサートVol.24
オルガニスト就任記念~

2023年6月22日(木)19:00開演(18:00ロビー開場)
東京芸術劇場 コンサートホール
オルガン:徳岡めぐみジャン=フィリップ・メルカールト
[曲目]
N.ブルーンス (1665-1697):プレリューディウム ト長調 ★
J.S.バッハ (1685-1750):コラール「いと高きところにまします神にのみ栄光あれ」 BWV 662 ★
J.P.スウェーリンク (1562-1621):「我が青春は終わりぬ」 SwWV 324
B.メルニエ (1964-):インヴェンション 第4番 ◆
J.S.バッハ (1685-1750)/J-P.メルカールト (1980-):ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調 BWV 1047 ★◆
C.トゥルヌミール (1870-1939)/M.デュリュフレ (1902-1986):コラール即興曲「過ぎ越しのいけにえ」 ◆
M.デュプレ (1886-1971):「オルガン交響曲第2番」より 第2楽章 インテルメッツォ ◆
M.レーガー (1873-1916):幻想曲とフーガ ニ短調 (改訂版) Op. 135b ★
C.ドビュッシー (1862-1918)/J-P.メルカールト (1980-):『夜想曲』より 「祭」 ★◆

★ 徳岡めぐみ
ジャン=フィリップ・メルカールト
ルネサンスバロックモダンオルガンを使用

[料金] 全席指定 一般3,000円 ペア券5,000円 高校生以下1,000円
※ペア券は前売販売のみ取扱い。
※高校生以下チケット(枚数限定・要証明書)は、東京芸術劇場ボックスオフィスのみ取扱い。
※障害をお持ちの方は、割引料金でご鑑賞いただけます。詳細は一般発売より東京芸術劇場ボックスオフィスまでお問合せください。(要事前予約)

[お問合せ&チケット取扱] チケット発売:2023年3月4日(土)
東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296 (休館日を除く10:00-19:00) https://www.geigeki.jp/


オルガン・アドバイザー ~ プロフィール

小林 英之 (オルガン) KOBAYASHI Hideyuki, Organ
東京藝術大学音楽学部卒業、同大学院修了。ドイツフランクフルト音楽大学卒業。各地での独奏会のほか、アンサンブルへの参加も多い。オーケストラオルガン・パートを担当し、神奈川フィルアンサンブル金沢、東京シティフィル、N響、新日フィル東京都響の定期演奏会には、ソリストとして出演。また、東京芸術劇場をはじめ各地のホールでオルガン関連事業の企画を担当するほか、中学生、高校生あるいは一般愛好家を対象としたオルガンに関する啓発活動も積極的に行っている。 現在、東京芸術劇場オルガン・アドバイザー。

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