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 オーストラリアでは、アカギツネ外来種で、在来の動物の捕食者となり深刻な環境破壊を引き起こしていることから、害獣とみなされている。

 当局に捕獲されれば始末されることになるアカギツネを助けようと、西オーストラリアにある保護区の所有者一家は、2015年に1匹のアカギツネの赤ちゃんを引き取って育ててきた。

 現在も保護区で他の動物たちと暮らすそのキツネは、一家の少女と初めて会った時から、まるで姉妹のように特別な絆を育んでいるという。

【画像】 アカギツネのファーギーが保護区にやってきた

Little Girl And Her Rescued Fox Are Best Friends | The Dodo Soulmates

 西オーストラリア・ワルーナにある動物保護区『Greener Pastures Sanctuary』では、150匹以上の救済した家畜動物の世話をしている。

 一家の長女フェニックスちゃんは、よちよち歩きを始めたころから、いつも動物と触れ合ってきた。

[もっと知りたい!→]瀕死の状態で保護された赤ちゃんキツネ、自分を犬と思い込み人に懐きすぎて野生に戻せず13年(英)

 大人に交じって動物の世話をするうちに、フェニックスちゃんと動物たちの間には特別な絆が生まれていった。

 そのなかでも、特に姉妹のような関係を育んでいるのが、アカギツネのファーギーだ。

 ファーギーはまだ赤ちゃんだった2015年に、保護区にやってきた。

オーストラリアキツネは害獣扱いですから、ファーギーは他に行き場所がありませんでした。ファーギーを死なせたくなかったので、うちで引き取ることにしました。

私たちなら、ファーギーに素敵な家を提供してあげることができると思ったのです。

 このように話すのは、保護区の運営者をしているフェニックスちゃんのお母さんだ。

 アカギツネを引き取ってすぐに健康診断をし、寄生虫などの感染予防対策も施している。

ファーギーとフェニックスは、初めて会った時から互いに特別な何かを感じたようです。これほど強い絆がこの子たちの間に生まれるなんて、さすがに私たちも予想していませんでした。

姉妹のように仲良しのファーギーとフェニックスちゃん

 現在、すっかり成長し大きくなったファーギーが、頭や背中に乗ってくるとなかなか重いはずだが、フェニックスちゃんはそうした触れ合いをいつも楽しんでいる。

 時に、穏やかな表情で顔を寄せ合うファーギーとフェニックスちゃんの姿は、100%信頼しあっている姉妹のようだ。

ファーギーは、他の大人の前では少し神経質になるところがありますが、フェニックスには完全な信頼を寄せています。(フェニックスちゃんの母)

 毎朝の餌やりは、フェニックスちゃんの仕事だ。ファーギーは、フェニックスちゃんの姿を見ると、うれしそうに鳴いて、全身で喜びを表す。

 ファーギーにとっては、毎日フェニックスちゃんと触れ合って一緒に遊ぶ時間が、とっても楽しいようだ。

キツネは本来野生でいるべきですが、ファーギーを引き取って飼育するという特別な経験ができたことを、私たちはとても幸せに感じています。(フェニックスちゃんの母)

 ファーギーと強い絆を持つフェニックスちゃんだが、もちろん他の動物たちともとっても仲良しだ。

 愛情をもって接すれば、動物たちはいつも応えてくれる。「いつか、今よりもたくさんの動物がいる農場を持ちたいな」と、将来の夢を笑顔で語ったフェニックスちゃん。

 動物がだいすきなフェニックスちゃんなら、その夢は叶えることができるかもしれないね。

References:Little Girl Forms Inseparable Bond With Rescued Fox/ written by Scarlet / edited by parumo

 
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処分されるはずのキツネと少女に芽生えた特別な絆