フランス女子代表のキャプテン、DFワンディ・ルナールが代表から身を引くことを決意した。

2006年からリヨン一筋でプレーするルナールは、女子選手としては他を圧倒する187cmという長身のセンターバック。打点の高いヘディングを武器にDFながらクラブでは100ゴール以上をマークしており、主軸としてなでしこジャパンの熊谷紗希らとともに女子チャンピオンズリーグ(WCL)5連覇にも貢献している。

フランス女子代表キャップも「142」を数える世界を代表するプレーヤーで、これまで女子ワールドカップ(W杯)に2度、オリンピックにも2度出場。今年2月の代表ウイークに自国で開催された4カ国対抗戦、トゥルノワ・ド・フランスの全3試合にも出場していた。

ルナールは自身のインスタグラムで心境を吐露。レ・ブルーへの敬意を示すと同時に、自身の精神的安定のため、代表チームから身を引く決断をしたと述べた。

「私は情熱、尊敬、コミットメントのプロ意識をもって142回、青白赤のジャージを守ってきました。完璧ではないけれど、何よりもフランスを愛しています」

「しかし、最高レベルの要件とはかけ離れた現在のシステムを許すことはできません。悲しいけど、私の正気を保つためには必要なことです」

フランスのチームから離れるという決断を知らせることとなり、とても心が痛みます。残念ですが、このような状況ではワールドカップに出場することはできません」

「表情には出ていないかもしれませんが、私の心は苦しんでいます……。これ以上は苦しみたくありません。決断を尊重してくれてありがとうございます」

突然の発表を受け、フランス『RMC Sport』はコリーヌ・ディアクル代表監督との軋轢を示唆している。

オランダで開催されたユーロ2017で、ルナールがキャプテンを務めていたフランスは優勝候補の一角に挙げられながらも準々決勝で敗退。その後2021年まで、ルナール指揮官からキャプテンを剝奪されていたという。

ルナールの声明を受け、同じくフランス代表で100キャップ以上を数えるFWカディディアトゥ・ディアニやマリー・アントワネット・カトトもこれを支持。代表からの離脱を表明している。

フランスは7月からスタートするオーストラリア&ニュージーランド・女子W杯にも出場が決定しており、グループFでジャマイカ女子代表、ブラジル女子代表、パナマ女子代表と同居する。本大会まで間もない中で、代表チームは大きく揺れることとなった。

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