ラ・リーガ第23節、レアル・マドリーvsアトレティコ・マドリーが25日にサンティアゴ・ベルナベウで行われ、1-1のドローに終わった。

現在、首位バルセロナと8ポイント差での2位に付けるレアル(勝ち点51)。直近公式戦5連勝中のエル・ブランコは、ミッドウィークに行われたチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16初戦では敵地で歴史的な5-2の逆転勝利。前半序盤に2点のビハインドを背負ったが、ヴィニシウスとベンゼマの両エースによるドブレーテ共演もあって圧巻の逆転劇を演じた。週明けにコパ・デル・レイ準決勝のクラシコを控える中、アンチェロッティ監督はリバプール戦から先発4人を変更。負傷のアラバとロドリゴに代えてナチョとアセンシオ、ベンチスタートのモドリッチとカマヴィンガに代えてクロース、セバージョスを起用した。

一方、先月半ば以降から4勝2分けの6戦無敗と安定して勝ち点を積み重ね、熾烈なトップ4争いにおいて4位をキープするアトレティコ(勝ち点41)。シメオネのチームらしい勝負所を見極めた戦いぶりが戻ってきた中、前節はアスレティック・ビルバオ相手にグリーズマンのゴールを守り切って1-0の勝利を収めた。今季リーグ戦とコパ準々決勝で連敗した宿敵にリベンジを狙うアウェイゲームでは前節から先発3人を変更。負傷のデ・パウル、ヒメネスとアンヘル・コレアに代えてサウール、サビッチ、バリオスを起用。グリーズマンマルコス・ジョレンテを2トップに配した変則的な[4-4-2]で臨んだ。

上位争いの行方を左右する今季3度目のマドリード・ダービー。コンディション面で勝るアトレティコが押し込む入りとなったが、最初の決定機はホームのレアルに訪れる。9分、ボックス手前右でボールを受けたアセンシオが強烈なブレ球のミドルシュートを枠に飛ばすが、これはGKオブラクが何とかはじき出す。さらに、直後には攻撃参加したミリトンの右クロスにベンゼマが飛び込むが、ここはうまくミートできない。

以降は完全にマドリーペースで試合が進む中でアトレティコアクシデントが発生。自陣ボックス付近でのバルベルデとの接触プレーの際に右ヒザを捻ったヘイニウドがプレー続行不可能となり、担架に乗せられてピッチを後に。これによって23分にヒメネスが緊急投入されてエルモソが左サイドバックにポジションを移した。

前半半ば以降はボールを握って押し込むレアル、自陣深くでブロックを構えて堅守速攻を徹底するアトレティコというお馴染みの構図の下で試合が進んでいく。

後方でストレスなくボールを動かせるホームチームは、要所で仕掛けのパスを前線に入れながらアセンシオやヴィニシウスがサイドで勝負を仕掛けるが、人数をかけて守る相手守備を崩し切るまでには至らず。ただ、アトレティコが狙うロングカウンターを中盤付近でしっかりと撥ね返してピンチを未然に防ぐ。

完全に我慢比べの様相を呈したダービーは、ボール支配率に加えてシュート数、ゴール期待値でホームチームが大きく上回ったものの、均衡が保たれたまま前半45分の戦いが終了した。

迎えた後半、先に動いたのはアトレティコバリオスを下げてコレアをハーフタイム明けに投入。コレアを2トップの右、ジョレンテを右サイドに配置して前半機能し切れなかったカウンターの部分に修正を施した。

後半も入りこそアウェイチームが優勢に入ったものの、時間の経過と共にホームチームがボール回しのテンポを上げ、全体の動き出しの量を増やし、より相手に脅威を与える攻撃を見せ始める。だが、中央をしっかりと締める相手に対して、コンディションの問題か要のベンゼマの動きもやや鈍く決定機まであと一歩という状況が続く。

後半序盤の攻防を経てアトレティコはヘイニウドに続いて足を痛めたジョレンテを諦めてレマルを投入。対するレアルは63分にアセンシオ、クロース、セバージョスを下げてチュアメニ、モドリッチ、カマヴィンガを投入する3枚替えを敢行した。

一連の交代による試合展開への変化に注目が集まった中、ダービーに付き物の退場者が出てしまう。64分、アトレティコスローインの際に中盤でリュディガーとポジション争いをしていたコレアが身体を振り払おうとした流れでみぞおちにエルボーを見舞うと、そこまでダメージを与えるものではなかったが、完全に故意の暴力行為に対してレッドカードが掲示され、コルチョネロスは今季3度のダービーすべてで退場者を出した。

これでより引き分けを意識せざるを得なくなったシメオネ監督は、76分にコケとサウールのピボーテ2枚を下げてモラタとヴィツェルを投入。前線にモラタを1枚残す形の[4-4-1]の布陣に。対するマドリーはナチョを下げて前節プリメーラデビューの新星FWアルバロ・ロドリゲスピッチへ送り込んだ。

すると、この交代直後に試合が動く。78分、アトレティコが相手陣内左サイドで得たFKの場面でキッカーのグリーズマンが正確なクロスをゴール前に入れると、これに完璧なタイミングで走り込んだヒメネスが打点の高いヘディングシュートをゴール右隅へ流し込み、1人少ないアウェイチームが先手を奪った。

これで勝ち点3に2点が必要となったレアルは83分にカルバハルを下げて長期離脱明けのルーカス・バスケスを投入。前がかってゴールをこじ開けに出ると、前節のデビュー戦でアシストを記録した18歳の新星がチームを救う。85分、左CKの場面でキッカーのモドリッチが絶妙なボールをゴール前に入れると、完全にフリーで中央に走り込んだアルバロ・ロドリゲスがゴール右隅へ完璧なヘディングシュートを流し込んだ。

18歳新星のプリメーラ初ゴールで追いついたレアルは、ここから決死の猛攻を仕掛けていく。だが、今季ダービー3戦全敗は避けたいアトレティコに粘りの守備とうまく時計を進められてしまい、再びゴールネットを揺らすことは叶わず。

この結果、今季3度目のマドリード・ダービーは痛み分けのドローに終わり、公式戦連勝が「5」でストップしたレアルは、翌日にアルメリア戦を控えるバルセロナの結果次第で勝ち点差を2桁に広げられる痛恨の結果となった。

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