2005年の放送開始以来、米国のみならず日本はじめ世界各国で視聴者を獲得した人気海外ドラマシリーズ「クリミナル・マインドFBI vs. 異常犯罪」の新シーズン「クリミナル・マインドFBI vs. 異常犯罪:エボリューション」が2月22日に日本でスタート。数多く存在する“犯罪捜査ドラマ”の中でも、屈指の長寿作である「クリミナル・マインド」の魅力を解説する。(以下「クリミナル・マインドFBI vs. 異常犯罪」に関するネタバレがあります)

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クリミナル・マインドのすごさ

海外ドラマファンならずとも、言わずと知れたクライムドラマ「クリミナル・マインド」。1話完結型の犯罪捜査もので、FBIに実在する行動分析課、通称“BAU”で活躍する捜査官たちを主人公に、プロファイリングを駆使して異常犯罪に立ち向かう大人気シリーズだ。

2020年まで毎年新シーズンが製作されていたが、シーズン15でストップ。作品終了かと思われたが、再び「クリミナル・マインドFBI vs. 異常犯罪:エボリューション」(ディズニープラス「スター」で独占配信)として新たな歴史が動き始める。

総エピソード数は300話超え。米国TVでゴールデンタイムに放送された歴代最長実写ドラマランキングでも、「LAW & ORDER ロー&オーダー」や「グレイズアナトミー」などに続き5位にランクインを果たしており、今まさに現在進行形で歴史的偉業を成し遂げている作品といえる。

■王道をゆく犯罪心理系ドラマ

クリミナル・マインド」の魅力はプロファイリングによる犯罪捜査。「メンタリスト」や「マインド・ハンター」など、容疑者の犯罪心理に迫るプロフェッショナル達の活躍を描くシリーズは人気だが、その礎を築いたといえるのが本作だ。

連続殺人犯放火魔、強姦犯やカルト集団などBAUに立ちはだかる犯罪者たちの顔触れは凶悪で、一刻も早い解決が求められる事件ばかり。限られた時間の中で、現場に飛び、証拠とプロファイリングのスキルを繋ぎ合わせて犯人逮捕に挑むストーリーは緊張感が漂い、息をつく間もなく1話終了なんてことも。犯罪心理と行動分析を駆使して犯人をあぶり出す本作は、ミステリーやサイコスリラーといった要素も交ざり合い、サスペンスフルな作品が好きな人にはたまらない。

■飽きのこない種類豊富な事件

総エピソード数300話超えと、超ロングランヒットしている本作だが、人々を引き付けて止まない理由はその事件の豊富さ。300話もあれば同じような事件もあるでしょう…とお思いかもしれないが、その時々の世界情勢や社会問題などが反映されており、事件の種類も年々アップデートされている。

エピソードのほとんどは完全オリジナルだが、時に実際に起きた犯罪を基にしているものも。いまもなお歴史に残る、常識では理解不能の猟奇犯罪者たちにプロファイリングで迫るストーリーが視聴者に与える衝撃は大きい。

さらにエヴァン・ピーターズが「ダーマー モンスター:ジェフリー・ダーマーの物語」で演じた猟奇的シリアルキラージェフリー・ダーマーなど、実在した凶悪犯への言及もあり、現実とリンクしたリアルな世界観もファンから支持を得ている。

■チームでの活躍に“胸アツ”

また、チームでの活躍も胸が熱くなるポイント。本作は当初ベテラン捜査官ギデオンを軸に描かれていたが、シーズン3はじめに降板。新たにジョー・マンテーニャ演じるデヴィッド・ロッシが入るタイミングでチーム全体での活躍により焦点が当てられるようになり、各キャラクターの個性が存分に発揮されるようになった。

正義感溢れるチームのまとめ役ホッチことアーロン・ホッチナーや、現場復帰した伝説のプロファイラーのデヴィッド・ロッシ、ロールプレイングを得意とし現場で鋭い観察力を発揮するデレク・モーガンや、マルチタスクで捜査環境を円滑に整えるジェニファー・“JJ”・ジャロウ、現場からのどんな要求にも応える技術分析官ペネロープガルシア、豊富な知識量を誇る若き天才スペンサー・リード、語学堪能な才女エミリー・プレンティス、研究熱心な司法学者タラ・ルイスなどなど、優れた才能が結集してチームワークで事件を解決する姿は、何度見ても痺れる。

また事件から離れた場所で、プロファイラーとしての鎧を脱ぎ、仕事仲間同士、素顔を見せた時のコミュニケーションも心和む瞬間。特にペネロペとデレクが交わす冗談交じりの掛け合いにはニヤニヤさせられるが、あれは実生活でのやり取りが演技にも取り入れられたものだそう。長年共演して築き上げられた仲の良さが見られるシリーズは、なかなかない。

■見れば見るほど親しみがわくキャスト

こうした魅力的なキャラクターたちを長年に渡って演じているキャストへの愛着もファンを離さない理由。10年以上にも及ぶ作品であれば、様々な理由でメインキャストの降板は起こり得るもの。しかし本作ではほとんどのメインキャストが続投している。これは現場の雰囲気もよく、唯一無二の絆が生まれている作品だからこそ実現できたといえる。

キャスト陣もクリマイ・チームをひとつの大きな家族のようだと話している。そうした雰囲気の良さは、作品の中でもさりげない会話の端々や、阿吽の呼吸などに垣間見られて、見れば見るほど愛着が増していく。

近年主流となりつつある1シーズンあたり短ければ4~6話、長くても8~12話ほどで終わる海外ドラマのスタイルとは異なり、1シーズンあたり22話ほどで非常に長く、ゆえに手を付けにくい印象もあるが、裏切られない確かな見応えなどから、いま再び人気が高まっているという本シリーズ。新シーズン「―エボリューション」も視聴者の期待に応える作品になっていることだろう。

◆文=KanaKo

「クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪」シーズン15第9話より/TM CBS Studios Inc. (C) 2023 ABC Signature and CBS Studios Inc. CRIMINAL MINDS is a trademark of CBS Studios Inc. All rights reserved.