瀬戸利樹と中田圭祐がW主演を務める「僕らのミクロな終末」(毎週日曜深夜0:55-1:30、ABCテレビ)の第4話が2月19日に放送された。学生時代の真澄(瀬戸)と律(中田)が寄り添うほっこりとするようすが描かれ、真澄にとって律が大切な存在であると痛感させられた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】タオルケットに包まれた瀬戸利樹“真澄”と中田圭祐“律”

■「僕らのミクロな終末」とは

同作は、実写ドラマがヒットした「ポルノグラファー」で知られる丸木戸マキによる同名コミックを原作に、地球滅亡寸前というSFなシチュエーションで異色の終末を描く恋愛ヒューマンドラマ。傷を抱えた不器用な登場人物たちの心情が交差する恋愛模様と同時に、絶望の中で奇跡を信じたくなるようなストーリーを展開していく。

主人公・仁科真澄役を瀬戸が、真澄の大学時代の“昔の男”日下部律役を中田が、アイドルオタクピュア男子高校生・広瀬遊馬役を富本が、国民的アイドル・嘉神まどかとその”自称妹”・めぐる役の一人二役を井手上漠が演じている。

また、真澄と律が大学時代所属していた出版サークルの同級生・橋本陽介役に大朏岳優、サークルの部長・露口役に前田瑞貴、律に夢中なミスキャンパス・谷口美佐役に西村美柚と、フレッシュな面々が共演。さらに、真澄の母親役に遊井亮子、律の母親役に岡谷瞳、律の父親役に成松修、めぐるの母親役に舟木幸、めぐるの父親役に飯田基祐が配役されている。

主題歌は、水野良樹が主宰するプロジェクト“HIROBA”から「ふたたび(with 大塚 愛)」。作詞作曲は初のタッグとなる水野&大塚愛が共作、編曲は蔦谷好位置が手掛け、真澄と律のもどかしく、苦しくもいとおしい関係性に重なる楽曲の世界観が、同作のストーリーに寄り添う。

■真澄は律と過ごした学生時代を思い出す

隕石落下まであと6日、律の隣で横になった真澄は学生時代のことを思い出す。2011年12月30日、真澄は律やサークル仲間に帰省について聞かれ、律も真澄も帰省しないと話した。真澄は友人に「去年も帰ってなかったよね、親孝行はしとくもんだぜ」と忠告され、「そうだな」と苦笑いした。

真澄の部屋に帰った真澄と律。真澄の母親のことを律に尋ねられ、真澄は幼少時代を思い出す。物心ついたときから父親は不在で、ネグレクト気味でイラつくと真澄をなぐるような母親だった。

高校時代、母親は真澄の雑誌を放り投げ、「あんた、ゲイだったの?」と尋ねてきて…。

■毒親な母に仕送りする真澄に律は優しく寄り添う

慌てて雑誌を隠すように抱えて否定しようとする真澄に、母は「ふーんキモいけど羨ましいわ。男同士なら子どもできないでしょ」と、あまりに酷過ぎる言葉を投げ掛ける。それから真澄は環境を抜け出すために死ぬ気で勉強して大学に合格して進学することができた。

奨学金から母に仕送りしている真澄に律は「真澄は優しいね。でも、俺は自分のことを一番大事にしてほしいって思う」と言う。そして、タオルケットを真澄と自分を覆うように被せて「俺と年越ししよ」と優しく語り掛ける。律は紅白歌合戦を見て年越しそばを食べて、その後初詣しようと楽しい計画を話し、真澄もいいねと笑って応える。

二人で一つになってタオルケットにすっぽりと包まれ、この世に二人だけかのように寄り添う真澄と律の姿にほっこりとする。真澄の過去と家庭がつらいものであるだけに、真澄を支える律に安心させられる。このときの真澄にとって律がかけがえのない大切な存在であると痛感させられた。

◆構成・文=牧島史佳

「僕らのミクロな終末」第4話より/(C)丸木戸マキ/祥伝社 ABC