上海証券取引所のメインボードへの上場を目指す、新疆宝地礦業(601121/上海)が2月27日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2億株を発行予定で、公募価格は4.38元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2001年設立で、13年に株式会社化した。鉄鉱石の採掘、選別、加工および精製鉄粉の販売を主業務としている。新疆ウイグル自治区内に4か所の鉱区を持ち、そのうち2か所で採掘を行っている。残りの2か所は建設中だ。また、同時地区内に5か所の選別工場を持っている。21年の年間鉄鉱原石採掘量は131万1000トン、精製鉄粉生産量は104万7000トン、精製鉄粉販売量は88万7800トンだ。
 
 業務は主に新疆ウイグル自治区内で展開しており、主な顧客は新疆八一鋼鉄、首鋼伊犁鋼鉄、新疆伊犁鋼鉄、甘粛酒鋼集団宏興鋼鉄など同自治区内の大型鉄鋼企業で、同時地区内では高い競争力を誇る。21年に同自治区内で生産された鉄鉱石原石のうち3.18%を、製鉄粉末のうち18.27%を同社が占めている。同社の生産する鉄鉱石の平均品位が44.62%と中国国内平均の34.50%を上回っており、質の高い鉄鉱石が生産できること、資源の豊富な新疆ウイグル自治区に拠点があることを強みとする一方で、所有鉱山の単体生産規模が大手企業に比べて小さいこと、市場の開拓が進んでおらず顧客が鉱山周辺の少数企業に限られていることなどがボトルネックになっている。
 
 22年12月期の売上高は7億6060万元(前期比17.17%減)、純利益は2億2670万元(同17.65%減)。23年1〜3月期の業績予測は売上高が1億6619万〜1億7282万元(前年同期比14.82〜18.09%減)、純利益が3370万〜3820万元(同1.27〜10.66%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

【上海IPO】鉄鉱石採掘の新疆宝地礦業が27日に公募開始、2億株を発行予定