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 現役時代に大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチも務めた野球解説者高木豊氏が自身のYouTubeチャンネルで「最も天才と感じた最強打者」について語った。

「自分の中での『天才』の定義は、何も見えてこない、何をしているかわからないけど、結果はすごいなと思う人。才能なんだよね。頭の知能指数なんて、勉強したからといって上がるものではなく、持って生まれたもので測ると、すごい数字を叩き出す。これが天才だと思います。野球でも、努力が見えてしまうと天才ではなくなってしまうんですよね」

 と、自身が思う天才の定義について口にした高木氏。

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 過去、同氏の定義上の天才「らしき」選手を数々目の当たりにしてきたというが、その1人が高橋由伸だという。

「彼は初球からなんでもいけるという天才型でしたね。高めに球がいって、あー!みたいなのは全部持っていかれるみたいなね。
だけど、アテネ五輪の際に一緒に野球をやった時、彼は朝早く起きてきて。巨人はデーゲームがなかったんですが、オリンピックとなると、昼の試合もあるので、朝ごはんをしっかり食べて体調管理をしていました。あれ?君は天才ではなかったのか?と思いました。
打席に立つときにも、彼、すごく前に立つんですよね。なぜかと聞いたら、海外の審判は外を取るので、ちょっとでも近づいておかないと届かないんですって言いました。それまでは、球がきてカーンと打ち返すだけかと思ったら、やっぱりちゃんと努力をしていた。でもそれを見ちゃうと自分の中では天才ではなくなるわけなんです」

 一方で、努力を見せない天才として挙げたのが、あのイチロー氏もそう認めたあの打者だ。

谷佳知ですね。彼はタイミングを取る天才なんですよね。シンプルな手捌きながら、どんな球でもポーンと打ってしまうんですよね。タイミングも狂わないですし。
多分、谷にバッティングを教えてもらっても訳わかんないと思いますよ。
感覚でスッと取ってポンと素直にバットを出すだけなので。当時、プロ野球界全体的に見て芯に1番当てる確率が高かったのが谷だったと思います」

 近年のプロ野球では、大谷翔平投手(28・エンゼルス)や村上宗隆内野手(23・ヤクルト)など、世間から「天才」と称される打者も多くいる。そんな中、高木氏がナンバーワンの天才として、あのレジェンドの名を挙げた。

清原(和博)ですよ。彼は、裏ではやっていたかもしれないけれど、飲んだり豪快な記事があがる中で、あれだけの数字を残してきたんですよ。ヒット2000本以上、ホームラン500以上。彼を置いて天才はいない、誰も勝てないと思います」

 清原氏は、歴代6人しかいない現役通算2000本安打、500本塁打、1500打点を達成したうちの1人。

 そんな同氏の野球の素質において、高木氏は

「王さんの努力を清原に付け加えたとしたら、900本塁打を打ってるんじゃないかってくらい。落合博満さんの感性を取って付けたとしたら三冠王5回くらい取っているんじゃないかっていう。清原からは、努力という匂いはあまりしないんですよね。もちろん見えないところで努力はしていたと思いますけど、彼ほどの天才はいなかったんじゃないでしょうかね」

 と、球界の名だたるレジェンドたちの名を挙げつつ大絶賛した。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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