(C)CoCoKARAnext

 週末に行われた侍ジャパンソフトバンクとの壮行試合。栗山英樹監督は「選手の状態を見極めたい」としたが、主力打者はそろって、無安打に終わった。

 2試合とも1番に座った山田哲人(30)は6打数無安打4三振1四球、4番に座った村上宗隆(23)は4打数無安打3四球、山川穂高(31)も4打数無安打1四球、いずれもバットから快音は響かなかった。

【関連記事】【侍ジャパン】激震 鈴木誠也の「代役侍」に浮上する「右打ちの外野手」

 特に主砲としての期待がかかる村上はしっかり四球を選びながらも、ノーヒットに関しては気がかりな点になる。ただ、侍ジャパン吉村禎章打撃コーチは「今回は結果は出なかったけど、自分なりの調整はできている」と心配ないと語り、村上本人も「いろいろメディアの方に言われることもあると思うけど、そこにとらわれずやっていければ」と一喜一憂せず、あくまで本戦にベストを持っていく構えを見せている。

 若くして令和初の三冠王に輝いた。特に昨年、日本人選手最多となった56本塁打をマークしたとあって、おのずと周囲が求めるハードルが高くなってしまう側面もある。

 一方打撃の状態がクローズアップされているが、村上の守備面に関しても課題がささやかれている。

 26日に行われた試合では村上の適時失策が記録された。2回裏二死三塁の場面、ソフトバンク三森大貴(24)の三遊間への強い当たりをキャッチしたが、一塁へ悪送球。左方向にそれ、打球が転々と転がる間に三塁走者の生還を許した。

 この場面についてテレビ中継で解説を務め、自身もWBC出場経験を持つ内川聖一氏は通常とは違う「WBC公式球の影響」、また「打者が足の速い三森」だったことも送球に影響を及ぼしたという見解を示した。

 また、村上は壮行試合ではいずれも「4番・三塁」で出場したが、球界内からは「三塁・岡本」の起用を勧める声もある。侍ジャパンでは危機管理の一環で自ら左翼守備に取り組むなど献身的な姿勢を見せ、打撃でも力強さを示している岡本和真(26)は村上と同じく三塁手。昨年はセ・リーグ三塁手部門で2年連続となるゴールデン・グラブにも輝いた。

 栗山監督は主砲として外せない村上の守備の負担を軽減するためにも慣れ親しんだ三塁を任せる考えを示しているが、実戦でも好調さをアピールしている岡本和の併用起用を考えるとすれば、「一塁・村上、三塁・岡本和」のオプションがあってもおかしくはない。

 27日に宮崎強化合宿を打ち上げ、今後は実戦4試合をはさみ、いよいよWBC1次ラウンドの中国戦(3月9日東京ドーム)に臨む。状態が注目されていたカブス鈴木誠也(28)は左わき腹に張りが出たことで、出場辞退することが日本野球機構NPB)から発表された。東京五輪でも4番を務めるなど、中軸として栗山監督も信頼を置いていただけに、打線に与える影響も心配される。チーム一丸となってこの難局を乗り越えられるか。侍首脳陣も知恵を絞る日々が続きそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【侍ジャパン】段々と明らかになってくるチームの「アキレス腱」主砲・村上宗隆の打撃以外の不安材料とは