フランスサッカー連盟(FFF)は28日、ノエル・ル・グラエ会長(81)の辞任を発表した。

なお、フィリップ・ディアロ副会長6月30日まで暫定的に会長を務めることも決定している。

ル・グラエ氏は、2011年にFFFの会長に就任。11年間にわたり会長職を務めており、2024年が4度目の任期満了時期だった。

会長就任後は、世代別、男女を合わせて2018年のロシアワールドカップ(W杯)など11のタイトルを獲得。また、国際大会では6つの大会でファイナリストにもなっており、野心的な方針によるところと評価されていた。

特にトレーニング施設への投資を行い、現在は世界でも最高の1つとされるほど評価。また、女子チームの強化にも努め、9万人程度しかいなかった選手が20万人を超えるまでに成長している。

経済面でもフランスサッカーへもたらしたものは多く、アマチュアサッカーへの投資額は2番に増加。1億400万ユーロ(約151億円)にものぼるという。

一方で、問題視されるものも多く、2026年のW杯に向けた監督先行で、ジネディーヌ・ジダン氏の名前が浮上した中で「彼の電話に出ることすらしなかっただろう。彼に何を伝えるんだ?。こんにちは。心配しないで。他のクラブを探してほしい。ディディエと契約した」と発言。かつてチームをW杯制覇に導いたレジェンドを軽視する発言が大きく炎上。現役選手であるキリアン・ムバッペも批判し、国民からも反発を買っていた。

さらに、フランス『レキップ』によれば、セクシャルハラスメントモラルハラスメントなどの疑いがかけられており、ジダン氏に向けた発言以降風当たりが強い状況に。1月11日にはFFFの倫理委員会から退任が要求されると、臨時執行委員会が開催。「スポーツ省による監査任務」が終了するまで退任することが決まっていたが、正式に辞任に至った。

その後、1月16日にはパリ検察庁がセクハラ、モラハラの捜査を開始。犯罪的な要素がすでに浮上しており、辞任につながったとされている。


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