オジー・オズボーンは、半世紀にわたる世界的なロック活動の中で、多くの有名人と出会ってきた。だから彼が一人一人のことを必ずしも覚えていなくても、許してあげなければならないだろう。現地時間2023年2月28日に放送された米SiriusXMチャンネルの『Ozzy Speaks』の最新回で、オジーは以前故ホイットニー・ヒューストンに遭遇した際に、彼女に何か無礼を働いたことを忘れてしまったのではないかと焦ったエピソードを披露している。

 オジーは、2009年に娘のケリーが出演し、3位に入賞した『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』シーズン9の最終回で、ホイットニーをスタジオで見かけた。彼は、「“ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ”を子どもがやっていた時、休憩時間にホイットニーが番組で歌うためにやってきたんだよ」と語っている。この時、ホイットニーは大ヒット曲「I Wanna Dance With Somebody」(邦題:すてきなSomebody)を披露していた。

 そして彼は、「彼女が登場してさ、俺は彼女の全盛期に見たんだ。あの女が歌うと、本当に何て言うか……圧倒的だった」と振り返り、「彼女は疲れ切っているように見えた。彼女は途中で立ち止まって、俺を見てるんじゃないかと思った。そうだった。彼女が俺の方に歩いてくるもんだから、俺は思い出そうとした……“彼女に会ったことがあったか?彼女を侮辱したことがあったか?”って脳内で」と続けた。

 しかしオジーは、なぜホイットニーが自分のところに来て話をしようとするのか、どうしても分からなかった。「いや、俺は、“この女に会ったことがあるのか?彼女を怒らせてしまったのか?俺のところに来て‘あんたはクズだ’って言うのか?”って思ってさ。“インタビューで彼女のことを何か言ったっけ?”って」と彼は振り返っている。戦々恐々としながら待っていたところ、ホイットニーが彼のすぐそばに来て、「お会いできて嬉しいです」と言ったことで、謎はさらに深まった。

 不思議に思ったオジーは、彼女が立ち去った後、妻でマネージャーのシャロンに向かって、「おまえがホイットニー・ヒューストンを知っているなんて知らなかったよ」と言うと、妻に、「だって聞かれなかったし」と返されたそうだ。オジーは、「言ってくれてもよかっただろ!」と不満を述べたと明かしている。ホイットニーは、2012年2月に48歳で死去した。

 共同司会者のビリー・モリソンとの会話では、オジーの病状についての最新情報も提供されたが、その過程で彼は、自身のツアーの日々が終わったことを話さざるを得なかった。オジーは、昨年の脊椎の大手術の後、回復するために“一生懸命努力している”と述べたものの、世界規模のツアーはもう無理だろうと認めたようなものだった。彼は、「もし、またツアーができるところまで戻れたら、それでいい。でも今、“1か月後にツアーに出られるか”と言われたら、イエスとは言えない」と語っている。

 しかし彼は、自身が引退するという報道は間違っていると明言した。「雑誌を見たら、“オジーは死にそう”って(書いてあった)。死にかけてなんてないよ」と彼が言うと、モリソンもリスナーにオジーが死の床にあるわけではないと強調した。

 「おいおい、みんな。俺はもう十分ひどい目に遭っているじゃないか」とオジーは言い、「もし今日大丈夫になったとしても……もし今日医者が、“あ、ツアーしてもいいよ”って言ったとしても、まとめあげるためにあと6か月はかかるだろうね」と述べている。

オジー・オズボーン、故ホイットニー・ヒューストンに遭遇し不安にかられたエピソードを披露「彼女を侮辱したことがあったか?」