復刻版 高等科修身 男子用』がハート出版から発行された。本書は大戦末期、戦局が悪化した時期の、つまり国家非常時の修身教科書であり、しかも男子用であるという点で、これまで復刊された修身教科書とはその趣を異にしている。附録に「女子用」の一部を収録、戦時中の女子教育の一端を垣間見ることができる。


敗戦から29年が過ぎ、小野田寛郎少尉が日本に帰ってきた。戦前の日本人がタイムマシンに乗って未来の日本にやってきたかのようだった。小野田少尉は変わり果てた日本人の精神を目の当たりにすることになる。小野田少尉はマスコミから「軍国主義の亡霊」と批判され、わずか半年でブラジルに移住した。
GHQの占領政策によって、この日本人の価値観の断絶がもたらされた。戦前の日本人の価値観の形成に、「修身」教育が一定の役割を果たしていたが、GHQがその「修身」を廃止、それが日本人の価値観断絶の一要因となった。
GHQに誘導された戦後の価値観では、「修身」は小野田少尉と同様、忌避すべき「軍国主義の亡霊」であり、今日も根強い批判がある。
今回ハート出版から発行された『復刻版 高等科修身 男子用』も、戦後の価値観からすれば受け入れがたい教科書である。この国民学校高等科(今の中1中2)の修身教科書は、各地で日本軍が玉砕し、本土空襲が始まった昭和19年20年のもので、しかも兵役義務のある男子用である。本書は「戦争に勝つ」ことが強く前面に押し出されている点で、これまで復刊されてきた修身教科書よりも「軍国主義」的である。

だが、そんな教科書を強く推薦する人物がいる。本書の解説者高須克弥高須クリニック院長である。高須院長はツイッターでもフォロワーに対して「この一冊には僕の精神の全てが凝縮されています。教育は子孫に残す最大の財産です。今こそ子供たちに伝えたい一冊。お読みください」ツイートしている。
「この一冊には僕の精神全てが凝縮されている」とはどういうことだろうか。本書解説で高須院長は、要約すると次のような体験を書いている。

僕が小学校で「天皇はこんな悪いことをした、日本は侵略をした悪い国、我々は償わなければならない」などと教えられていることを知った祖母と母は驚き、「その先生の言うことは全部嘘です。もういっぺん教え直します!」と、二人の優秀な家庭教師がつけられた。その二人の家庭教師の言うことは矛盾がなく納得いくものだったが、担任教師の話は明らかにおかしい(担任はシベリア抑留者で、ソ連の洗脳を受け入れ早期帰国していた)。僕は、「先生、それは違うと思います」と意見するようになり、そのたびに「授業の妨害をするな」とバケツを持って廊下に立たされ、体罰を受けるようになった。そのため、僕はその教師からほとんど授業を受けていない。

高須院長は昭和20年生まれだが、学校での反日教育の洗脳を解くために家庭教師が付けられ、戦前の修身教育も受けていた。修身が自身の血となり肉となった高須院長には、正しい行為に生きようとする強い責任感があった。人の不正を見逃すことは自分が不正を犯すことである。高須院長は修身の教えを実践し、教師から体罰を受けることがわかっていても、その意志を曲げず、教師の間違いを指摘し続けたのである。

高須院長は家庭教師から習った内容が全く同じように盛り込まれている。これを読むことで目覚める。今まで教わってきたことが間違っていたとわかる」とも述べている。高須院長は自分が家庭教師によって目覚めたように、GHQ教育を受けてきた戦後世代に、本書によって日本人本来の深い道徳を学び直し、日本人として覚醒することを促しているのである。

なお本書の附録には、高等科修身女子用の一部の章、「貞操」「しゅうと」などが収録されている。高等科女子が習得すべき日本女性の婦徳が説かれているのだが、これも、今の日本の言論空間を席捲しているフェミニストの価値観とは相容れない内容である。

本書は戦前と戦後の日本人の間に存在する価値観の断絶を再認識し、本来あるべき日本人の教育の形を考える上で、非常に重要なものになるだろう。



【書籍情報】
書名:[復刻版]高等科修身 男子用
著者:文部省
解説:高須 克弥(高須クリニック院長)
仕様:A5版並製・184ページ
ISBN:978-4802401524
配本:2023.03.01
本体:1500円(税別)
発行:ハート出版
商品URL:https://www.amazon.co.jp/dp/4802401523/

配信元企業:株式会社ハート出版

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