このライブは昨年8月に東京・日本武道館で行われたワンマンライブ「不可解参（狂）」の世界をバーチャル空間に再構築するというもので、2019年8月より行われてきたライブシリーズ「不可解」の完結編として開催された。
“概念武道館”のステージに登場した花譜は、ピアノイントロにアレンジされた「魔女」でライブの口火を切る。「畢生よ」から「夜が降り止む前に」へとシームレスに移行したのち、「武道館のステージに立った日のことが走馬灯のように思い出されます。いったいどんな終わりを迎えて次に向かうのか、ぜひ最後まで見届けてください」と挨拶してから「不可解」でその歌唱力の高さを見せつけた。「アンサー」で一旦クールダウンさせたのち、ステージには桜の大木が出現。客席にピンクのペンライトが灯る幻想的な演出の中で、花譜の高校卒業記念ライブ「僕らため息ひとつで大人になれるんだ。」でも披露された「裏表ガール」が届けられた。
ここでステージがせり上がり、花譜は武道館を飛び出し上昇を続ける。“第四形態 雉”に衣装チェンジした花譜が「一緒に踊ってくれませんか」「僕らのパーティを始めよう」と呼びかけて「K.A.F DISCOTHEQUE（DJMIX）」と題したディスコタイムに突入。「ラムのラブソング」「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」などが画面の奥の観測者（花譜ファンの呼称）を踊らせる。その後、花譜は“観測所”に到着。このパートではさまざまなゲストが登場し、花譜はCIELと「私論理」で初コラボを果たしたほか、AlbemuthやVALISともパフォーマンスを披露した。また先日発表され、まだ謎に包まれているプロジェクト「prompt αU」のテーマ曲である「あるふぁYOU」をEMAと届けた。
“特殊歌唱用形態「軍鶏」（想）”へと姿を変えた花譜がスクランブル交差点のセンターへ移動すると、その背後にはバンドメンバーが映し出される。メンバー全員を紹介したのち、花譜は盤石なバンドアンサンブルに乗せて「過去を喰らう」「海に化ける」「人を気取る」という、傷付きながらも成長していく姿を描いた3作を情熱的に歌唱。「未観測」を挟んで「不可解」シリーズ完結編となる曲「狂感覚」をしっとりと歌い上げた。
ここで、花譜のアーティスト活動には欠かすことのできない
カンザキが退場したのち、花譜は彼を笑顔で送り出すために書き下ろしたという新曲「リメンバー」を情感豊かに歌唱し、改めて自身の思いを述べ始める。「2018年10月に花譜という名前を与えてもらってから5年目に突入しています。リアルとバーチャルがごちゃまぜで、私だけど私じゃないをずっと体感してきて、まだこの気持を言葉にするのが難しいんですけど、そのわからなさがいつも面白くて、すごく魅了されてるし、ここにいられてうれしい気持ちでいっぱいです。あなたが観測してくれるから私が私でいることができています」と感謝の言葉を口にした花譜は、「みんなに居場所をもらって今この場所にいます。また新しい景色をみんなと見に行きたいです。私とみんなの物語はまだ始まったばかりです。みんなのことが大好きです。愛してる」と言葉を紡ぐ。そして柔和な笑顔を浮かべながらステージ背後の“境界線”へと歩みを進め、“神椿市”へと旅立っていった。
スタッフクレジットが流れるエンドロールでは、新たなライブシリーズ「SINKA LIVE」の立ち上げが発表された。この日のライブをエピソード0として、今後KAMITSUBAKI STUDIOに所属するV.W.Pのメンバー、ヰ世界情緒、幸祜、春猿火、理芽がそれぞれ物語をつないでいく。なお本公演は4月9日23:59までアーカイブ配信されている。
花譜「3rd ONE-MAN LIVE『不可解参（想）』」2023年3月4日 セットリスト
01. 魔女
02. 畢生よ
03. 夜が降り止む前に
04. 不可解
05. ニヒル
06. アンサー
07. 裏表ガール
08. K.A.F DISCOTHEQUE（DJMIX）
09. 糸
10. 私論理 feat. CIEL
11. 戸惑いテレパシー feat. Albemuth
12. あるふぁYOU feat. EMA
13. 神聖革命バーチャルリアリティ feat. VALIS
14. 過去を喰らう
15. 海に化ける
16. 人を気取る
17. 未観測
18. 狂感覚
19. 過去を喰らう with カンザキイオリ
20. 命に嫌われている with カンザキイオリ
21.リメンバー
花譜 3rd ONE-MAN LIVE「不可解参（想）」
2023年4月9日（日）23:59まで配信中
チケット販売URL：https://www.zan-live.com/live/detail/10271
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