メイン画像

きょう3月7日(火)は、きのう以上に気温が上昇。北海道~九州にかけて、4月並みの陽気に。多雪地では、急速に雪どけが進み「なだれ」のリスク大。バックカントリーと呼ばれる整備されていない雪山での事故が相次いでいます。コースの外に出るなど無理な行動は絶対に控えましょう。

各地で4月並みの陽気

画像A

きょう7日(火)は、北日本では朝から平年より気温が高く、最低気温(午前9時まで)は札幌市で4.0℃と、千葉県成田空港1.6℃より高くなりました。

日中は全国的に、きのう以上に気温が上昇。予想最高気温は札幌市12℃、新潟市16℃、仙台市東京都心、名古屋市福岡市は19℃など、4月並みの予想です。札幌市仙台市では、今年一番の暖かさとなりそうです。

積雪が多い所では、急速に雪どけが進む見込みです。7日(火)11時現在、北海道~山陰にかけて、広く「なだれ注意報」が発表されていて、富山県には「融雪注意報」も発表されています。

融雪注意報は、融雪により災害が発生するおそれがあると予想したときに発表されます。具体的には、積雪が融解することによる土砂災害や浸水害が発生するおそれがある場合です。

多雪地帯 まだ2メートル以上の積雪

画像B

ここ数日高温で、多雪地の雪解けが急速に進んでいます。7日10時現在、各地で平年並みか平年を下回る積雪となっていますが、それでも豪雪で有名な青森県八甲田山系の酸ヶ湯は366センチ(平年比105%)、山形県大蔵村肘折257センチ(平年比97%)、山形県西川町大井沢203センチ(平年比98%)、新潟県魚沼市西名(守門)199センチ(平年比105%)など、2メートル以上の雪が積もっている所があります。また、西日本の日本海側山間部でもまだ積雪がたっぷり。鳥取県大山101センチ(平年比96%)など1メートル以上に雪が積もっています。

週末にかけて、各地で高温傾向が続く見込みです。急な雪解けによる「なだれ」「落雪」「道路の冠水」などリスクが高まるため注意が必要です。

気温上昇 なだれ注意 バックカントリーでの無理な行動は控えて

画像C

週末にかけて各地で気温が上昇するため、「全層なだれ」の危険性が高くなります。
バックカントリーと呼ばれる整備されていない雪山で、手付かずの自然の中を滑走するスキーやスノーボードが人気を集めていますが、この冬もバックカントリーでの遭難が相次いでいます。コースの外に出るなど、無理な行動は控えてください。

雪が積もると、なだれが発生しやすくなります。なだれとは、斜面に積もった雪が、重力によって下に滑り落ちる現象ですが、種類が2つあります。
1つは「表層なだれ」です。これは、山に積もっている古い雪の上に、新たに積もった雪が滑り落ちる現象です。1、2月頃の寒さが厳しい冬の時期に、山の急斜面で発生しやすく、雪庇や吹きだまりができている斜面で多く発生します。
もう1つは「全層なだれ」です。こちらは、山に積もった雪が、全て滑り落ちる現象です。気温が上昇する春先に、雨が降った後や、フェーン現象などで気温が上がった時に多く発生し、斜面の上の固くて重い雪が、流れるように滑り落ちます。過去になだれが発生した斜面や、積雪に亀裂が入っている所では、特にご注意ください。

積雪の多い所 融雪災害に注意

画像D

暖かくなることで心配されるのが、融雪による災害です。積雪が多く残る所では、気温の上昇や雨により雪どけが進むことで、なだれだけでなく、「土砂崩れ」や「道路の冠水」などにも注意が必要です。

雪どけにより大量の水分が地面に浸み込むことで地盤が緩み、「土砂災害」が発生することがあります。山間部や急な傾斜地では、特に注意が必要です。

雪が多く積もった道路で、気温が上昇したり、雨が降ったりすると、「冠水」のおそれがあります。路肩に集められた雪によって排水が悪くなったり、雪の塊が排水溝を塞いだりしてしまうことがあるためです。大雪のあとの雨は、たとえ大雨でなくても、道路の冠水に十分ご注意ください。

このほか屋根からの落雪も多くなります。軒先で作業する際は頭上の状況を確認するなど注意が必要です。また、除雪作業を行う場合は、命綱とヘルメットを装着し、できるだけ複数人で実施するなど、安全を確保するようにしてください。

気温上昇 各地で4月並みの陽気 なだれ注意 バックカントリーでの無理な行動控えて