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ララ・ファヴァレットが会場に制作したのは、作家自身にとって最大規模の作品となる約10トンのカラフルなコンフェッティと21のキューブからなるインスタレーション。モデルが歩くことによって徐々に侵食されることで移り変わる景色を生み出す。

ファーストルックは、ぼかしの入ったフラワープリントを施したドレス。ぼかしの概念を通じて「今はまだおぼろげな何か」に目をこらすこと、つまり、ファッションは現在ではなくその先にあることを示唆したという。シルエット、テクスチャー、光と素材の関係を顧みる内向的なスタンスを提示するルックが連なっていく。

素材はレザー、ダッチェスシルク、サテンベルベット、カシミヤニット、羽毛、クリスタル。カラーは黒、ブラウン、キャメル、白、赤、パステルとさまざま。焦点のあたるものとあたらないものの緊張関係が心地よいテンポを生み出す。

23春夏コレクションで見られたピクセルアイテムはさらに曖昧な輪郭となり、ドレス、トレンチコート、フェイクファーコートは物体から印象に変貌を遂げ、その魅惑的な幻影を実際に手にしてみたくなるような欲求を掻き立てられる。

一方で、折り畳まれたアームやピンでつくられたボリューム、バッグのチェーンによるドレープ、崩れ落ちるブーツなど、徹底して問われるプロポーションやしなやかで上質な素材の質感は映像や画像を通じてでも圧倒的なクオリティで迫ってくる。一枚の絵の前で立ちすくんでしまうときのように、その美しさと迫力に目を奪われてしまう。

The post ぼかしの概念を通じて“今はまだおぼろげな何か”に目をこらす。「Loewe」2023-24秋冬コレクション first appeared on Numero TOKYO.