先月26日午前、イギリス高速道路に迷い込んだ1頭の羊が車の走行を妨げていた。現場では鉄道代行バスを運転していた女性がハンドバッグのストラップを投げ縄のように使い、苦労しながらも見事に羊を捕獲した。その後、女性は自身の運転するバスに乗客とともに羊を乗せて牧場主へ送り届けることになったが、バスは目的地にわずか1分の遅れで到着したという。英メディア『Metro』などが伝えている。

羊を発見したのは、英イースト・サセックス州ペヴェンシーとハンプシャー州ホワイトパリッシュを結ぶ鉄道代行バスを運転していたマーティンパティさん(Martine Patey)だ。マーティンさんは次の目的地であるイースト・サセックス州イーストボーンへ向かうため主要道路A27を運転していた時、前を走る長距離バスがハザードランプをつけて停止したため、後に続いて停止した。事故があったのかと不安に思いながら前方を確認してみると、そこには真っ白な1頭の羊が歩いていたのだ。

どこからか高速道路に迷い込んでしまったこの羊は出口が分からなくなったようで、道路の真ん中を歩き回っていた。動物好きなマーティンさんは「このままではいけない」と思い、羊を捕まえようとして高速道路に降りた。そして羊に近づいてみたが、羊は怖がってしまい道路上を縦横無尽に駆け回る。なかなか羊を捕まえることのできなかったマーティンさんだったが、最終的に自身のハンドバッグのストラップを使って羊を捕獲することに成功したという。

マーティンさんは「捕まえるのは難しかったですが、羊が私の目の前で足を滑らせたので、その時にハンドバッグのストラップを投げ縄のように使って捕まえました。通りかかった2人の運転手が車を停めて手伝ってくれたので、警察が到着するまで羊を捕獲しておくことができました」と振り返っている。

そして警察官が現場に駆けつけたが、彼らから「地元の牧場まで羊を送ってほしい」と頼まれたそうだ。快く承諾したマーティンさんは、自身が運転していた2階建てバスの1階部分に羊を乗せ、出発する前にバスの乗客と記念撮影をした。写真には乗客に大人しく撫でられている羊の後ろ姿が写っている。

その後、羊を送り届けている途中で牧場主がトラックで迎えに来たためマーティンさんはそこで羊を渡し、羊の冒険はあっさりと幕を閉じたようだ。実はこの日、マーティンさんは鉄道代行バスを運転する初日だった。羊を牧場に送り届けるという予定外の任務を受けながらも、目的地だったイーストボーンへは到着予定時刻からわずか1分遅れただけで済んだという。

このニュースを見た人からは「羊も高速道路に入ってしまって怖かったはず。マーティンさんが助けてくれてよかった」「自分の仕事だけを考えず、羊を救ってくれたこの運転手は素晴らしい」「羊を捕まえるのは簡単なことではないよ。すごいな」「素晴らしい判断」とマーティンさんの行動を絶賛する声が寄せられた。

ちなみに羊は思わぬところで知恵を働かせることがあり、先月には英ノーサンバーランド州にある農場の監視カメラが羊の脱走劇を捉えており「なんて賢い子!」と驚きの声が相次いでいた

画像は『Metro 2023年3月4日付「Sheep seen ‘wandering’ on motorway is rescued by quick-thinking bus driver」(Picture: Brighton & Hove buses)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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