独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館(所在地:東京都台東区、館長:藤原 誠、以下 東京国立博物館)、独立行政法人国立文化財機構文化財活用センター(所在地:東京都台東区センター長:旭 充、以下 文化財活用センター)と凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、水墨画の巨匠である雪舟の作品のうち、東京国立博物館所蔵の3件、国宝「破墨山水図」(はぼくさんすいず)、国宝「秋冬山水図」(しゅううさんすいず)、重要文化財「四季山水図」(しきさんすいず)を鑑賞するVR作品『雪舟 ―山水画を巡る―』を、2023年3月8日(水)から6月11日(日)まで東京国立博物館 東洋館内「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」で再上演します。
今回、再上演に際して、本作品が公開に至るまでの過程を記録したメイキング映像を、2023年3月8日よりニコニコ動画にて配信予定のVR作品『雪舟 ―山水画を巡る―』本編の特典映像として公開します。国宝「破墨山水図」、国宝「秋冬山水図」、重要文化財「四季山水図」をアーカイブする様子や映像編集の様子などの貴重な記録映像を通して、より深くVR作品を楽しむことができます。
VR作品『雪舟 ―山水画を巡る―』 監修:東京国立博物館、文化財活用センター 制作:凸版印刷株式会社
重要文化財「四季山水図」をアーカイブする様子
映像編集の様子(メイキング映像の一部)
■ VR作品『雪舟 ―山水画を巡る―』のみどころ
・山水画の中に入り込むような新しい鑑賞体験
 雪舟作品の特徴の一つが、力強い墨の線で構築された大胆な構図です。本VR作品では、国宝「秋冬山水図」と重要文化財「四季山水図」の岩や山の遠近関係等をVRやアニメーションとして分かりやすく再構成。本来は鑑賞者の想像力によって描かれたその地を巡り山水風景を楽しむ、中国古来の「臥遊」という鑑賞形態を、300インチの巨大スクリーン映像で表現し、掛軸に描かれた山水画の中に入り込むような臨場感あふれる体験を提供します。
重要文化財「四季山水図(夏景)」の遠近階層を分解したデータ
画中の人物が作品の中を巡るアニメーション
・現代水墨画家とのコラボレーションと緻密なアーカイブデータの分析により、雪舟の筆運び順を再現
 
国宝「破墨山水図」は、比較的筆を早く走らせて描かれた作品だと考えられています。本VR作品では、現代水墨画家の浅見貴子氏と共同で同作品の筆運び順を解析し、雪舟による描画の全工程を映像再現しています。
浅見貴子氏共同による国宝「「破墨山水図」の筆運び順検討の様子
分析記録の一部
資格 国宝「蓮見山水図」、国宝「秋冬山水図」、重要文化財「四季山水図」について
 
本作で対象となるのは雪舟の特徴をよく表す3作品。「破墨山水図」は潑墨(はつぼく)という輪郭線を用いず墨をはね散らすような画法が特徴的で、図上には雪舟自身による序文と6人の禅僧による画賛があり、雪舟の足跡を辿る資料にもなっています。「秋冬山水図」は構築的な空間構成や強調された輪郭線などに、多様な様式学習を経て自己の作風を確立した雪舟様式の特徴が見出せます。また、「四季山水図」は雪舟が中国に滞在中かその前後描いたとされる4幅からなる非常に大きな作品。ダイナミックでありながらも骨組みがしっかりした構図は、雪舟の画業の中でも、中国への意識が強く感じられる珍しい画風とされています。

■ 『雪舟 ―山水画を巡る―』上演案内
■ VR作品『雪舟 ―山水画を巡る―』ニコニコチャンネル映像配信について
■ 「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」について
「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」は、VRによる文化財の新しい鑑賞方法を体験できる施設です。「バーチャルリアリティで時空を超える」をコンセプトに、東京国立博物館の収蔵品を中心とする文化財デジタルアーカイブをVR技術で可視化。文化財の姿をあざやかに映し出す超高精細4Kプロジェクタ、300インチの迫力ある大きなスクリーン、専属のナビゲーターのライブ上演により、コンピュータが生成する三次元空間の中にいるかのような感覚で文化財を鑑賞できます。文化財の往時の姿の再現や肉眼では鑑賞することが難しい細かなディテールの拡大など、デジタルならではの文化財との新たな出会いと楽しみ方を提供する空間です。
・シアターWebサイト  https://www.toppan-vr.jp/mt/



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以  上

配信元企業:凸版印刷株式会社

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