ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の2023年3月第2週号を発行しました。今週号では金属業界、動力手工具業界、インダストリー4.0を目指す欧権科技(Auto Cam)と工作機械業界の最新動向を紹介します。

<最新号目次>
  • 台湾金属加工機械設備製造業の産業概況と2023年の展望
  • 台湾動力手工具製造業の産業概況と2023年の展望
  • インダストリー4.0を目指す、欧権科技(Auto Cam)
  • 台湾工作機械産業の2023年の展望
<台湾工作機械産業の2023年の展望>
 近年、世界の製造業を取り巻く環境は▽米中対立、▽新型コロナウイルス感染症流行、▽ウクライナ戦争、▽地球温暖化によって大きく変わった。これに伴い、台湾を含む世界の工作機械産業は新たな試練とチャンスに直面している。
 米中対立を受け、世界の製造業各社は従来の効率を重視したグローバルなサプライチェーン(供給網)をローカル化、短縮化することで、サプライチェーン寸断のリスクを回避する方向にかじを切っている。また、新型コロナ流行を受け、各社は従業員の感染などによる人手不足を回避するため、ロボットによる自動化、作業のオンライン化などのデジタル化、クラウド化を進めている。
 国際通貨基金(IMF)によると、2022年の世界経済成長率は3.2%で、年初の予測値から0.4ポイント下振れした。特に先進各国の成長率の下振れ幅が大きく、新興国開発途上国の成長率は総じて横ばいだった。23年の世界経済成長率は2.7%と前年比0.5ポイント低下し、うち先進国は1.1%、新興国開発途上国は3.7%となる見通しだ。
 台湾工作機械産業は、22年上半期(1~6月)は各国の経済活動再開、製造業の生産、投資拡大を受けて好調が続いたが、下半期(7~12月)は原料価格の高騰による世界的なインフレ、米利上げの影響で製造業の生産、投資が押し下げられ、工作機械の需要が鈍化した。また、円安により日本製工作機械の輸出競争力が高まり、台湾製工作機械の輸出に不利になった。
 台湾工作機械産業は輸出が全体の約8割を占め、輸出相手国別では中国が約33%を占める。このため、▽中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)、▽工作機械の対中国輸出受注、▽工作機械の輸出額、▽工作機械メーカー大手の売上高の変化をみることで、台湾工作機械産業の現況と今後の見通しを理解することができる。
電子製品向け需要は低迷、EV向け需要に期待
 工作機械の主な出荷先は電子産業と自動車産業だ。電子産業では世界経済の減速や巣ごもり需要の鈍化により、ノートパソコンやスマートフォンの需要が減少し、ODM(相手先ブランドによる設計・生産)/OEM(相手先ブランドによる生産)メーカーも影響を受けている。市場調査会社によると、22年のPC世界出荷台数は前年比19.5%減少した。スマホの22年世界出荷台数は前年比9.7%減少し、ブランド別ではアップルのみが比較的好調だった。PCやスマホの在庫調整にはなお時間を要する見込みだ。
 自動車の22年世界販売台数は7963万台で、前年比3.7%減少した。うち電気自動車(EV)は1533万台だった。自動車の23年世界販売台数は前年比5.9%増の8432万台となる見通しだ。このうち、EVは前年比28.1%増となる見通しだが、ガソリン車はほぼ横ばいになると予想されている。世界各国・地域が2050年までの温室効果ガス実質排出ゼロ(ネットゼロ)実現を目標に掲げる中、EVの需要は拡大する見通しだが、工作機械メーカーにとっては、EVに搭載されないエンジンやギヤボックスなど従来製品向けの需要が減少することとなる。台湾の工作機械メーカーは、EV用バッテリー、モーター、ギヤ駆動装置などに参入する台湾メーカー向けの需要を開拓すべきだ。

23年生産額は横ばいへ
 IMFなどの国際機関の多くは、主要各国の23年の経済成長率は前年比0.5~0.8ポイント低下すると予測している。世界的なインフレを受けた利上げなどの金融引き締めにより、企業の設備投資などが減少するとの見方で、インフレ圧力が低下して最終需要が回復し、台湾工作機械産業の景気が好転するのは23年下半期(7~12月)となる見通しだ。
 工業技術研究院(工研院、ITRI)産業科技国際策略発展所(産科国際所、IEK)の予測によると、台湾工作機械産業の23年の生産額は第3四半期(7~9月)から前年同期比増加率が拡大し、通年で前年比横ばいの1341億元となる見通しだ。市場別ではインド、タイ、ベトナム向けの需要が特に伸びるとみている。
ワイズ機械業界ジャーナル
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【会社概要】
会社名:ワイズコンサルティング グループ
所在地:中華民国台北市襄陽路9號8F
代表者:吉本康志
設立:1996年11月
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