今月4日、豪アデレード市にあるガソリンスタンドに併設されたコンビニに、野生のコアラが来店し店員や客を仰天させた。当時の様子を撮影した動画には、カウンターの中にいた店員の脚によじ登ってしがみつくコアラの姿が映っていた。当の店員は「どうしたらいい!?」と終始困惑していたと、豪メディア『9Now』などが伝えている。

野生のコアラが現れたのは、豪・南オーストラリア州アデレード市ウッドサイドにあるガソリンスタンド「アンポル(Ampol)」に併設されたコンビニエンスストアだ。店舗入り口の外に設置された防犯カメラには、閉まりかけた自動ドアに向かって真っすぐ歩き、躊躇することなく店の中に入るコアラの姿が映っていた。コアラは入り口近くにいた客の後ろを歩いて店内の奥に進み、客はまさかの来店者に驚いた反応を見せた。その後、店内の複数か所に設置された防犯カメラが、陳列棚の間を歩き回る好奇心旺盛なコアラの姿も捉えた。

そしてコアラは店内を一通りチェックし終えるとカウンターに向かい、そこにいた店員のニック・スミスさん(Nick Smith)の脚によじ登り始めた。その様子を当時一緒に働いていたジェームズ・パパレラさん(James Paparella)が動画で撮影しており、コアラは怯える様子もなくニックさんの脚にしがみついていた。コアラは木登りのために鋭い爪を持っており、下手にコアラを刺激して攻撃されると大けがに繋がりかねない。そのためニックさんは「どうやって離したらいいのか分からないよ!」と困惑した様子でジェームズさんに訴えていた。

コアラが店に来るまでは、いつもと変わらない一日でしたよ」と話していたジェームズさんは、コアラ保護団体に連絡して応援を求めることにした。スタッフの到着を待つ間ジェームズさんとニックさんは、コアラが店を出て道路に向かってしまわないよう、客の対応をしながら店の中でコアラを保護していた。「カウンターの後ろでコアラを保護して、水の入ったボウルも用意しました。コアラは私たちの脚を木だと思ったのか、時々飛びついてきましたよ。コアラが物を壊さないようにだけ気をつけていました」とジェームズさんは当時の様子を振り返った。

そして約40分後、アデレードを拠点に活動するコアラの保護団体「KOALA RESCUE」のボランティアスタッフであるジェマ・マンフレさん(Jemma Manfre)が到着した。カウンターの後ろにいたコアラを見たジェマさんは、「コアラは床の上に座って落ち着いていましたね。恐らく若いコアラでしょう」と話した。このコアラはメスで、体重約5キロだったと報道されている。コアラはジェマさんにより保護され、500メートルほど離れた場所にある森に放たれた。ジェマさんによるとコアラは近くの木に素早く登り、振り返ることなく森の中に消えていったそうだ。

このニュースを見た人々からは、「コアラにしがみつかれるなんて羨ましい」「フレンドリーで可愛いコアラだね」「可愛い動画をシェアしてくれてありがとう」などのコメントが寄せられた。一方でコメントの中には「生息地が破壊されてしまい、行くところがないんだ」という声も届いていた。

ジェマさんの同僚で長年ボランティアをやってきたメリディ・モンタレロさん(Merridy Montarello)は、コアラを保護するケースが増えていると話す。「私たちはコアラの生息地に居住地を広げ、そこにいたコアラたちは郊外に追いやられています。今までコアラを見たことがないという人もいますが、コアラは近くにいますよ。車に轢かれたり、犬に襲われてしまうコアラも多いです。本当に悲しいことですね」とメリディさんはコアラを取り巻く現状についてコメントを残した。

メリディさんの話を裏付けるように、2020年12月にはコアラが民家に侵入したというケースが発生している。このコアラはソファでテレビを見ながら1時間もリラックスしていたそうで、この様子を捉えた動画がネット上でシェアされ話題を呼んでいた。

画像は『9Now 2023年3月5日付「Koala’s surprise visit to Adelaide service station」(Supplied/Today)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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