世界中が注目する第95回アカデミー賞の授賞式が、2023年3月12日(米国時間)に開催される。今回のアカデミー賞では、ウォルト・ディズニー・カンパニーの制作スタジオが最多の22のノミネートを獲得した。サーチライト・ピクチャーズや20世紀スタジオといったアカデミー賞常連とも言えるディズニーの制作スタジオからも、評価の高い作品が数多く生み出されている。そこでアカデミー賞を牽引するディズニーの制作スタジオが手がける、過去のアカデミー賞受賞作・ノミネート作品の一部を振り返る。

【写真】スティーブン・スピルバーグ監督初のミュージカル作品「ウエスト・サイド・ストーリー」

■記憶に新しい第91~94回のアカデミー賞受賞作品

2022年の第94回アカデミー賞では、「タミー・フェイの瞳」で実在の人物を演じたジェシカ・チャステインが主演女優賞に輝いたほか、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。2023年で2年連続8度目のノミネート(うち2回受賞)となったスティーブン・スピルバーグ監督が、初めてミュージカルに挑んだ「ウエスト・サイド・ストーリー」も話題を呼んだ。

第93回アカデミー賞の作品賞ほかを受賞した「ノマドランド」は、中国出身のクロエ・ジャオがアジア系女性監督として監督賞を受賞し、アカデミー賞の歴史にその名を刻んだ。ジャオ監督の活躍は、今年もますます存在感が際立つアジア系の勢いに繋がっていくとみられる。第91回アカデミー賞では、伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」でエジプト系のラミ・マレックが、アラブ系俳優として初の主演男優賞を受賞して記録を作ったことも忘れ難い瞬間だった。

第91回アカデミー賞では異色の宮廷ドラマ「女王陛下のお気に入り」にも注目が集った。オリヴィア・コールマンが主演女優賞を受賞した本作は、ギリシャ出身の鬼才、ヨルゴス・ランティモス監督の個性が全開。アカデミー賞における多様性が進んでいることは、各国のエッジの効いた監督たちが評価されている近年の傾向からもよく分かる。

■何度でも見たい、色あせない傑作

今年のアカデミー賞でも高く評価されているギレルモ・デル・トロ、ダーレン・アロノフスキーの過去作も必見だ。デル・トロ監督による普及の名作「シェイプ・オブ・ウォーター」、ナタリー・ポートマンが主演女優賞を受賞した、ダーレン・アロノフスキー監督による異色のサイコ・スリラー「ブラック・スワン」など、アカデミー賞受賞作としては異色の娯楽性と芸術性を合わせ持つ、独創的な映像世界は唯一無二の魅力がある。

ほかにも、マーベル作品でも知られるタイカ・ワイティティ監督の「ジョジョ・ラビット」、ウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブダペスト・ホテル」、アン・リー監督の「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」など、作家性が強く個性派ぞろいの監督たちがアカデミー賞をわかせた作品は枚挙にいとまがない。

いよいよ授賞式まで秒読みとなった第95回アカデミー賞受賞。作品賞を含む主要4部門でノミネートされた「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」、MCU初のアカデミー賞助演女優賞のアンジェラ・バセットを含む5部門にノミネートされた「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」(ディズニープラスで配信中)、そして作品賞を含む主要8部門9つのノミネーションを獲得した「イニシェリン島の精霊」にも注目が集まっている。ディズニー公式動画配信サービス、ディズニープラスでは、ディズニーが誇る制作スタジオの過去の受賞作・多くの作品を視聴することできる。

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