アメリカ

昨今、米中関係で新たな火花が散っている。


■中国がロシアへ殺傷武器を供与か

ホワイトハウスジェイク・サリバン大統領補佐官は先月末、中国がロシアへの武器供与を模索しているとし、供与すれば大きな過ちだとけん制し、アントニー・ブリンケン国務長官も同様に、中国が殺傷力のない装備に加えて殺傷兵器の提供を検討しているとの情報があると明らかにした。

仮に事実だとすれば、中国とロシアの蜜月関係を露呈することになり、米国だけでなく欧州や日本など国際社会からの対中不信感がいっそう強まることになる。


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■米国はさっそく同盟国に協力を要請

この可能性を排除しない米国は早速行動に出ている。バイデン政権は中国による軍事支援が明らかになった場合、中国に対して新たな制裁を科す意思を示すだけでなく、日本など同盟国に対して同調するよう呼び掛けたとみられる。

今年1月、岸田総理ホワイトハウスを訪問してバイデン大統領と会談した際、バイデン大統領は昨年秋に発表した対中半導体輸出規制で日本も加わるよう要請したが、今後は似たような形で、対中で米国に追随するよう日本へ圧力を掛けてくる恐れがある。


■日中経済は崩壊へ

ウクライナ情勢で中国がロシアへ武器を与えていることが判明すれば、米国の怒りは半導体レベルの話で済まないだろう。1月以上の圧力が中国に対して加えられるだけでなく、“日本はいつまで中国に良い顔をするのだ”的なレベルで対日圧力も強まることになる。

しかし、それによって日本が対中制裁を強化すれば、中国は日本を完全に米国のポチと認識し、日本への経済制裁を強化することは避けられない。日本は中国を最大の貿易相手国としているが、今日のウクライナ情勢は日本経済を崩壊する導火線になる恐れがある。

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(取材・文/セレソン 田中

米国が日本をはじめ同盟国に“対中制裁”を要請か 日中経済は崩壊へ