クルマに「オートライト」や「オートハイビーム」の機能が備わり、対向車のライトが眩しいという指摘がよく散見されるようになりました。本当にそうなのでしょうか。

オートハイビームは犯人ではないかも?

2020年4月以降の新車から、クルマに「オートライト」の装備が義務化されました。これは周囲の明るさが一定以下になるとセンサーが感知し、ロービーム(すれ違い用前照灯)が自動で点灯されるというものです。

さらに近年は、「オートハイビーム」を搭載するクルマも増えてきています。ネットではその頃より、対向車から強烈なハイビームで照らされる、いわゆる「ハイビーム攻撃」に遭遇する回数が増えていると主張する人がいます。これについて同機能が搭載されているクルマが原因なのではと指摘する声もありますが、本当なのでしょうか。

オートハイビームとは、対向車がいない道では自動的にハイビームになる機能です。この機能で、対向車に対する判別が不十分で、すれ違う直前まで眩しい光に照られさる、と指摘されています。

この件に関して、日本自動車連盟(JAF)が2019年に行った調査によると、オートハイビーム機能にしたとしても、60km/hで対向車とすれ違った場合は、約580m~670m手前というまぶしく感じない距離でロービームに変わったという報告があります。

ただ、オートハイビームは基本的に歩行者自転車相手には自動で切り替わらないため、歩行者がいる場合は手動でハイからローに切り替えるべきとしています。

このJAFの調査では、車種ごとの細かい結果が出ていないという反論もあるかもしれませんが、そもそもオートハイビームのせいではなく、最近のヘッドライトに使われているLEDが原因なのではという意見もあります。確かにLEDは昔のハロゲンライトよりも明るく、白色などで眩しい感じることもあるかもしれません。

また、光軸が原因の可能性も考えられます。近年人気のSUVやミニバンは、車高が高く、ドライバーから見ると、セダンに比べて視点が高くなっています。運転するドライバーにとってみれば、見晴らしがよく、安全に運転できる要素になりますが、前走車や対向車がセダンスポーツカーのように視点が低いクルマだった場合、SUVやミニバンのヘッドライトを眩しく感じてしまう現象があるようです。

ヘッドライトが眩しい対向車のイメージ(画像:写真AC)。