心揺さぶられ涙が止まらない。先週7日に放送された『星降る夜に』(テレビ朝日、毎週火曜よる9時)第8話では、泣き崩れるムロツヨシ北村匠海が思わず駆け寄り抱きしめるラストシーンに涙を流した視聴者が続出。泣ける場所があって、寄り添う人がいてくれることの尊さを感じずにはいられない回となった。

(以下、第8話ネタバレあり)


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何度見ても涙が込み上げてくるラストシーン。
自ら命を絶とうとする伴(ムロツヨシ)を鈴(吉高由里子)と深夜(ディーン・フジオカ)が必死に止める。2人を振り払うと、伴は苦しそうな表情を浮かべながら鈴に告げた。

「お願いです。嫌な人でいてください。悪い人でいてください。じゃないと ゴールが もうないんです。」

これまで鈴に怒りをぶつけることで自分を保ってきた伴は、否定もせず「彼も闘ってるような気がするんです」と受け止めようとする鈴に背を向ける。


防波堤に上がり、海の方へと歩いていく伴。もう鈴も深夜も止められない。そこに聞こえてきた伴の娘・静空の「お父さーん!」という叫び声で、伴はタガが外れたように声をあげて泣き崩れる。苦しいのにどうしていいのか分からず、ボロボロになりながら号泣するムロツヨシの演技からは、抱える辛さや痛みがひしひしと伝わってきて涙を流さずにはいられない。これには「ムロツヨシに泣かされるなんて!」「ムロさんの演技が凄すぎた…」とムロの迫力ある圧巻の演技に心動かされたという声が相次いだ。


第3話ラストシーンにあった遠くからこぶしを握りながら海辺にいる鈴と一星を見つめる伴の姿や、第5話で鈴の家にレンガを投げた後の「ごめん」を連呼しながら娘を泣きながら抱きしめる様子など、これまで映し出されなかった伴のストーリー。演じるムロツヨシの表情や演技は見る者に恐怖さえ感じさせつつも、寂しさや切なさが滲み出ていた。誰が見ても心が壊れかけているだろうとわかるような、伴という人物を表現できるムロの演技に脱帽する。


一人泣き崩れた伴へ思わず駆け寄って抱きしめたのは一星だった。鈴に「今度 あの男が来たら 抱きしめてやる」と言っていたように、一星は本当に伴を抱きしめた。SNS上でも「本当に抱きしめちゃう一星尊すぎか…」「伴さん抱きしめて有言実行する一星」「抱きしめてくれたのが一星なのがよかったな」と盛り上がりを見せた。ムロに駆け寄る瞬間の必死な様子の北村の表情は見る者の感情を大きく揺さぶり、抱きしめた後の穏やかな表情はすべてを包み込んでくれるように優しく、そして温かかった。


みんなが寄り添い、それぞれが泣き場所を持っていく。

鈴の職場の看護師は「鈴先生の力になりたいです」と言ってくれて、さらにピンクエンペラーが見張りをしてくれる。マロニエ産婦人科の全員が一丸となって鈴を守る。「遺品整理のポラリス」の社長・千明(水野美紀)も鈴の味方だ。目の前に現れた伴に「そんなんだから いつまで経っても幸せになれないんだよ!」と啖呵を切る。そして「ちゃんと泣けてんだ」と鈴のことを気遣う。


「俺は最強だから」「全力で抱きしめてやる!」と言ってのけるいつも全力ド直球な一星は、鈴や深夜、さらには伴にも寄り添おうとする。春(千葉雄大)ともお互いの悩みを打ち明けられる仲だ。そんないつも強気な一星も祖母が倒れてしまうと不安で鈴にしがみついて涙を流す。その様子を優しい眼差しで深夜が見つめる。過去に何があってもそれを乗り越えて、みんなが寄り添う気持ちでいる。なんて優しくて素敵な関係性なのだろうか。



そして残るは深夜だけ。

第7話ラストで一星と深夜に寄り添われながら涙を流した鈴。両親が亡くなった時に泣けなかった一星も、祖母が倒れてしまうと鈴の前で泣いた。一星に抱きしめられながら、声を上げて泣き叫んだ伴。だけど深夜だけはまだ自分のために泣けていない。


産婦人科医として慣れてきた深夜は傍から見たらすでに立ち直っているように見える。しかし、妻と子が亡くなって10年経った今でも家族で暮らしていた家は整理できず、相変わらず妻の分まで大量に食べ物を買う癖が抜けないでいる。そんな深夜に、みんなが寄り添う。深夜と妻の写真が写るスマホを見つめ、いつも深夜のことを気に掛ける同級生の千明。「何があっても目の前の仕事に全力投球してたら いつか問題は 解決していくもんだよ」と居場所を作ってくれる院長(光石研)。「暴れてもいいのに。泣いて叫んで怒ったりしてもいいのに」と受け止めようとする鈴。みんなが寄り添い、一人ではないことを伝えてくれる。深夜の幸せを望む周りの気持ちはとても優しい。


「僕が医者になろうと思ったのは 多分…復讐のためです」と、似た境遇の伴に伝えた深夜。彼の泣き場所はどこにあるのか…。



とうとう最終回を迎える『星降る夜に』。それぞれ事情があるけれど、それを乗り越えようと目の前のことに一生懸命な人たち。そんな登場人物みんなが幸せになってほしいと願わずにはいられない。涙なくして見られないであろう最終話に注目だ。


文:SEN


最終話 拡大スペシャル あらすじ


妻の命を救えなかった雪宮鈴(吉高由里子)を5年にわたり逆恨みしてきた伴宗一郎(ムロツヨシ)。しかし、そんな自分にも降り注ぐ鈴の優しさや、同じ境遇に苦しむ深夜(ディーン・フジオカ)の共感に苛まれ、自らの命を絶とうと海へ向かう。しかし、すんでのところで鈴の恋人・一星(北村匠海)に全力で抱きしめられた伴は、まるで子供のように、すべての思いを吐き出すかのように、涙を流すのだった―。

 

そんな伴の姿は、妻・彩子(安達祐実)とお腹の中の子を同時に亡くしてから10年――涙を流せないまま、医者になること選んだ深夜の心の時計の針を、優しく進めてゆく。
ある日、妻の親友でもあった北斗(水野美紀)が営む「遺品整理のポラリス」に、突然訪れる深夜。「10年間、お願いできなくて…ごめんね」と、妻と暮らした家を整理する決心を告げるのだった。


そして迎えた遺品整理当日。鈴も見守る中、チーフの一星率いるポラリス従業員も総出で、次々と遺品が片付けられていく…。
そんな中、深夜の口から「僕が医者になったのは、復讐が理由でした―」という言葉が零れだす。隣に寄り添い、その言葉に静かに耳を傾ける鈴。これまで深夜が“胸の奥に押し込んでいた複雑な本音”が溢れ出す。


物語はついに完結へ―。
託された最後の遺品整理。
孤独な星々はやがて、繋がり大きな愛を知る。


感情を忘れて孤独に生きてきた産婦人科医・鈴と、そんな彼女に笑顔をもたらした“音のない世界”で自由に生きる10歳下の遺品整理士・一星との運命の出逢い。


君と初めて出逢ったのは、星降る夜のことだった――。
命の《はじまり》と《終わり》をつかさどる2人が迎える結末は―?


▼これまでの各話コラム

第7話

『星降る夜に』抜け出せない余韻、セリフのない名演と繋がる言葉

第6話

『星降る夜に』視聴者悶絶のイチャイチャも話題、“全力ド直球”が背中押す

第5話

『星降る夜に』ハマり役キャストに釘付け、北村匠海とディーン・フジオカの絡みに笑いも

第4話

『星降る夜に』キュンと不穏の落差に「感情がジェットコースター」幸せ願う視聴者続出

第3話

『星降る夜に』ワンコな北村匠海にハマる人続出、予想外なディーン・フジオカも魅力


■『星降る夜に』
毎週火曜よる9:00~10:00

(C)テレビ朝日

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