2012年に鮮烈なデビューを果たし、昨年の2022年11月21日に10周年を迎えたGENERATIONS。そんな彼らの7枚目となるアルバム『Ⅹ』が3月8日に発売される。アルバムタイトル『X』はGENERATIONSの10年間の活動を振り返り、1度自分たちの活動を“点”に置き換え線で繋いだときに意味の無いように思っていたことや、悩み、苦労したこと、笑顔で過ごせた時間や楽しかったことなど、様々な事柄が自分達の周りで交わっていると気付きタイトルとして採用した言葉。そこでメンバーの白濱亜嵐、数原龍友、中務裕太にアルバム制作時のエピソードや、今の思い、メンバーとの記憶を語ってもらった。




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——まずは約1年半ぶりのアルバム『Ⅹ』が完成した今の率直な気持ちをお聞かせください。


白濱「感覚的には『Up & Down』から短いスパンで『Ⅹ』が完成したという思いです。それだけ去年の活動が充実していたという証拠。このアルバムは、デビュー10周年を迎え、その先を見据え、今の自分たちと将来の自分たちのイメージをみんなで話し合いながら具現化した曲が集まりました。僕たちにとって節目となるアルバムになったと思います」


数原「アルバム制作時には、いつもバタバタして何かに追われながら、やっとアルバムが完成したという感覚があります。でも、今回はたっぷり時間をかけて作れたのかなと思います。1曲1曲にやりたいこと、届けたい思いを詰め込むことができました。それだけ、やりたいことが明確になってきたからこそ、みんなが納得いくような楽曲が集まったんじゃないかなと。10周年にふさわしいアルバムになりました」


中務「10周年ということで、本当にジェネにふさわしというか、今のジェネの名刺になるようなアルバムが完成しました。今まで、パフォーマーが全員参加するということは実はなかったんです。でも、僕と(小森)隼もしっかり歌のパートがあって、ジェネの新しい武器ができたという思いがあります。今までのジェネの表現と、新しいジェネの表現がクロスオーバーしたような、そんな作品になっています。


——タイトル『Ⅹ』には、「10」「点」「伝」…など、さまざまな意味があるとのことです。そこで、みなさんにとって一番印象に残っている「テン」について教えてください。


数原「僕は天空の『天』で、小森隼って男について語ります(笑)。隼の誕生日に、みんなでご飯を食べに行ったときって、隼がいくつのときだっけ?」


白濱「21歳じゃなかった?」


中務「21だね」


数原「その誕生日当日、音楽番組の収録があったんです。帰り際の楽屋で“おめでとう”って言ったら、隼が“この後、何か予定があるんですか?”と言いだして。偶然、みんな何もなくて、せっかくだしご飯へ行こうとなったんです。隼に喜んでもらおうと至急、ケーキとかも用意して、サプライズを仕込んでいたんですけど、彼は誰よりも早く天に召されてしまって(笑)。いってみれば、酔いつぶれてしまって、隼が泣きながら帰るってことがありました(笑)。ある意味、隼がてっぺんに登った瞬間だったんじゃないかな」


——お2人は、そのときのことを覚えていらっしゃいますか?


中務「めちゃくちゃ覚えています(笑)」


白濱「隼を楽しませようとしたのに、結局本人がいなくなっちゃって、楽しもうにも楽しめなくて絶妙な空気になりました(笑)」


数原「それで隼を誰が送り届けるの?ってなって、じゃんけんが始まったり(笑)。いろいろ面白かった。そういう時代を経て、最近のジェネは大人になったのかな、と思います」



——それでは中務さんの「テン」というと?


中務「僕は転ぶの『転』。以前、(佐野)玲於とフットサルをやりにいったとき、試合中に転んで左足を痛めちゃって。それがライブの4日前。めちゃめちゃ激痛を我慢して本番のライブに挑んだんで、もう二度とライブ前はフットサルをしないということを決めました」


数原「ある意味、転機にもなったのかもね」


中務「うん。ライブに対する心構えというのができた。マジ、あのときはきつかったから(笑)」


——白濱さんの「テン」は?


白濱「僕はお店の『店』。リリースがあると、僕たちはよくCDショップを回るんです。そのとき、(関口)メンディーくんは、なぜかいつも僕だけを誘うんです。しかもプライベートで(笑)。以前もメンディーくんに誘われて、行ったことがありました。事前にCDショップには連絡して行って、サインを書こうと思ったら、すでにショップに来てサインを書いていたメンバーがいて。それが裕太くん。たいてい、僕たちより先に1人でCDショップを回っているんです」


中務「(笑)」


白濱「今回のアルバムが発売したら、久しぶりに7人でCDショップに行くのもありかなぁと思っています」


——ちなみに数原さんと中務さんが関口さんにCDショップへ誘われたら?


数原「いや、暇じゃないんで(笑)」


白濱「たぶん、メンディーくんって、僕のこと暇だと思ってるんだよね。リハ終わりとかも僕はプライベートの予定は入れないから、誘いやすいんだろうなって思う」


数原「だろうなとは思ってる(笑)。亜嵐くん、いつもリハ終わりは、ゆっくりしてくつろいでるから。ご飯食べながら配信しているときもあるし」


白濱「そう思われているんだろうね(笑)」


中務「絶対、そうだと思う。僕も誘われれば行きますけど、そういうのは1人で行くのが好きなので、あまり誘ってほしくないけど(笑)」



——リード曲『ワンダーラスト』は「永遠に続けばいい」と願ってしまうような楽しくて幸せな“今”について歌った曲だそうですが、グループとしての10年を振り返ったとき「永遠に続けばいい」と思う瞬間は?


数原「楽曲制作やツアー中は“永遠に続けばいい”と思っています。聴いてくれる人はなんて思うだろう?早く聴いてほしいと思いながら楽曲制作をして。ライブでその曲を披露しているときは“この瞬間がずっと続けばいいのに。終わらないでほしい”と思いながら、歌っています。“最後の曲です”って言ったとき、“えぇぇ~~”っていう定番のやりとりがありますが、あれもきっとファンの方たちは“まだ終わらないでほしい、この時間を終わらせたくない”という気持ちからだと思うので。僕たちもデビューのときから、夢を見ているような時間が続いているので、そういう思いはずっと続いています」


白濱「僕もツアー中ですね。ツアーが始まったばかりのころは、いまだに緊張して。それがしばらくツアーを続けて、無双モードというか、踊りが自分の体に染みわたった状態のころ“永遠に続けばいいのにな”と思っています。何も考えず、楽しみながら踊れるようになってきたあたりの感覚のまま、やり続けたいなって」


——いまだにツアーの始めのころは緊張するんですね。


白濱「初日はやっぱり緊張します」


数原「するよねぇ」


白濱「2~3公演目だと、まだ体にも踊りが染み切っていないので、どこか不安と闘いながらパフォーマンスしている感じで。ほかのメンバーも緊張を隠しているようなところはありますね」


数原「オープニング直前は緊張感がありますけど、みんな自分の世界に入っていて。その後、目と目があう瞬間には、意外と緊張がほぐれているんじゃないかな。僕、ほかの人が緊張しているのを見るとうつっちゃうので、なるべく見ないようにしています」


中務「僕もライブにそう思う瞬間はありますが、ライブの打ち上げのときに“永遠に続けばいい”と思います。ライブ中はもちろん、楽しいんですけど、打ち上げのときって、全部やりきった達成感やなんとも言えない感情がわきあがってくるんです。その状態で、みんなと飲むお酒がとても美味しくて。その瞬間がずっと続いてほしいなと思います」



——『NOW or NEVER』の作詞・作曲を担当された白濱さん、楽曲制作への思いをお聞かせください。


白濱「はい。いくつかアルバムの候補曲があがってきたとき、僕の作詞作曲した曲があってもいいんじゃないかという話をいただいて。それで曲を作ることになったのが、きっかけ。どんな曲を作ろうか?ってなったとき思ったことは、タオルを回せるような曲にしたかったということ。コロナ禍から今、少しずつ復帰して、これから徐々にライブでもファンの方たちが声を出せるようになってくると思います。そんなとき、みんなが声を上げて、お客さんが楽しめる楽曲作りをしたいという強い思いがありました。最初はダンスミュージック系で2曲作ったんですけど、どっちもダメで。3曲目でようやく納得のいく曲が完成しました。今年は夏フェスを攻めたいと思っているので、こういう楽曲がひとつあると、ロックっぽいフェスに参加したとき、他ジャンルの音楽好きな人たちにも聴いてもらえるんじゃないかなって。そういうことを意識して作った曲なので、ライブでのアンセムになるといいなと思っています」


——『Ⅹ〜未来への手紙〜』の作詞を担当された数原さん、制作時のエピソードがありましたら教えてください。


数原「グループ活動を振り返って、もっと大きなテーマで作詞しても良かったんですけど、それ以上に実は悔しい思いをした出来事が最近あって。10年やってきて、こんなにも自分たちが無力だと感じた出来事があったんです。今のこの悔しさ、歯がゆさ、フラストレーションを言葉にしたら、どうなるのか。そして今の時代に対して感じていること……10年後、この歌詞を見返したとき僕たちはどう感じているのか。今、この時代の思いを残しておきたく、作詞しました。だから10周年の集大成というより、10年活動してきて、ここ最近あった自分たちの悔しい思いを表現しています」


白濱「僕、龍友くんの言葉がすごい好きで。今の僕らの言葉を代弁してくれているなというのはすごく感じました。この曲は7人全員が共感し、僕たちが思っている思いを言葉にしてくれているな、と思いました」


中務「龍友くんの歌詞って、回りくどい言い方をせず、まっすぐなんです。ストレートに僕たちの思いがつづられていたので、すごく刺さりました。ファンの方たちも、この曲を聴いて僕たちの思いが伝わるでしょうし、あらためてステキな歌詞だなと思います」



——10周年ということで、お聞きします。メンバーとの一番古い記憶で印象に残っていることを教えてください。


白濱「隼かなぁ。一番初めに出会ったのは高校の体育祭で。それがGENERATIONSメンバーの一番古い記憶。なんかデカいやつがいる!って思ったのを覚えています(笑)。高校生のときだから、あれから人生の半分はGENERATIONSのメンバーが僕の記憶にあると思うと、ちょっと感慨深いです」


中務「なるほど。俺はなんだろ? 会議室でGENERATIONS加入が発表されたときかな。それがジェネとなった瞬間だったので、一番記憶に残っています。といっても、そのときは何が起こったのかもよくわかっておらず、1日たって、次の日の朝に我に返りました(笑)。驚きすぎて、詳しいことは覚えていないんですけどね(笑)」


数原「僕は彼(白濱)とファミレスへ行った記憶ですね」


白濱「俺もそれとどっちを言うか迷ったんだよね(笑)」


数原「デビュー前のことなので、もう12~3年前のことです」


中務「龍友くんがおごったときの話?」


数原「いや、逆。当時、とにかくお金がなくて。なけなしのお金で買った自転車も盗まれて、電車に乗るのもおぼつかない状況だったんです。でも、彼はもう劇団EXILEで仕事をしていて。レッスン終わりに中目黒付近のファーストフードでごちそうになりました。そのとき“一緒にやれたらいいよね!”って言ってくれて、その記憶がすごく残っています」


白濱「お会見は1600円ぐらいだったかな(笑)」


数原「あの当時の1600円はでかかったから」


中務「確かに(笑)」


——最後に今後の目標や展望をお聞かせください。


中務「先日の会議で龍友くんも言っていたけど、またジェネでドームツアーをしたいです。ドームで見た記憶は何ともいえない感動があったので、また7人でドームのステージに立ちたいと改めて感じています。またヒット曲を出して、国民的なアーティストになりたいという目標は今までと変わらず持ち続けています。これからも頑張りますので、よろしくお願いいたします」


数原「これまでの道のりは、容易なものではありませんでした。でも、今になって思い返すと、先輩たちが敷いてくれたレールが、丈夫でまっすぐな道だったからこそ、今の僕たちがいると思い知っています。なので、ここからは自分たちが新しいレールを敷き、7人で同じ方向を向いて頑張っていきたいです。それがきっと、ドームツアーやヒット曲へ続くだと思うので、あらためて気持ちを持ち直し、ゼロからやっていくつもりで頑張りたいです!」


白濱「今、いろいろな形でダンス&ボーカルグループが増えています。そういう子たちと共演すると“昔から見ていました”“ジェネを見てダンスを始めました”という子たちもいます。そんな後輩たちの架け橋にGENERATIONSはなれる存在だと思うので、そういうところかも目指しながら、誰からも愛されるグループになっていきたいと思います!」


文:今 泉

写真:稲澤朝博



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