チャンピオンズリーグ(CL)・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)セカンドレグが15日に行われ、ナポリイタリア)とフランクフルトドイツ)が対戦した。

 2月21日に敵地で行われたファーストレグを2-0で制したナポリは、大きなアドバンテージを得てホームへと帰ってきた。ファーストレグ以降、3月3日開催の第25節ラツィオ戦こそ0-1と黒星を喫したものの、その他の2試合はしっかりと完封勝利を飾っており、セリエAの首位を独走している。対するフランクフルトはファーストレグを落として以降、ブンデスリーガで2分1敗と勝ち星がない。決して状態が良いとは言えないが、決勝戦まで進出した1959 -60シーズン以来となる準々決勝進出を狙う。

 ナポリはファーストレグからスターティングメンバーを2名変更。左サイドバックにはマティアス・オリベラに代わってマリオ・ルイが、右ウイングにはイルビング・ロサノではなくマッテオ・ポリターノが起用された。一方、フランクフルトはファーストレグから先発4名を入れ替え。ランダル・コロ・ムアニが出場停止のため不在の最前線にはラファエル・ボレが入った。鎌田大地はスタメン、長谷部誠はベンチからのスタートとなっている。

 試合は序盤からナポリがゴールに迫り続けるも、31分にはフランクフルトが悪くないシーンを作る。エヴァン・ヌディカのパスを受けた鎌田がダイレクトで背後のスペースへ送ると、ボレとマリオ・ゲッツェが反応。しかし、ここは両選手の呼吸が合わず、フィニッシュまで持ち込むことはできなかった。

 均衡が破れたのは前半アディショナルタイムナポリは敵陣中央でルーズボールに反応したスタニスラフ・ロボツカが右サイドのスペースへスルーパスを送ると、抜け出したポリターノが右足でクロスボールを供給。ペナルティエリア中央で待っていたヴィクター・オシムヘンが高いジャンプからヘディングシュートを沈め、ナポリが先手を取ってハーフタイムに突入した。

 後半に入ってもナポリは攻撃の手を緩めない。53分、左サイドでボールを持ったフヴィチャ・クヴァラツヘリアがカットインから逆サイドへ浮き球のパスを繋ぐと、ボールを受けたポリターノは内側を走っていたジョバンニ・ディ・ロレンツォを使う。ダイレクトでの折り返しをオシムヘンが押し込んだ。

 対するフランクフルトは58分、アンスガー・クナウフからのパスを受けたジブリル・ソウがスルーパスを送ると、抜け出したボレが中央へ折り返す。最後は飛び込んだ鎌田が合わせたが、シュートは力がなく、GKにストップされた。

 62分にはピオトル・ジエリンスキが倒されて得たPKをジエリンスキ自身がしっかりと決めて、ナポリセカンドレグの勝利を決定づける3点目を記録。試合はこのままタイムアップを迎えた。

 ナポリは180分間を通してフランクフルトを完封しただけでなく、攻撃陣がしっかりと結果を残し、2戦合計スコアを5-0とした。準々決勝進出はクラブ史上初の快挙となっている。一方、フランクフルトのCLでの冒険はここで終了。鎌田はフル出場。長谷部ピッチに立てばドイツのクラブに所属するフィールドプレーヤーとしては歴代1位の記録更新となったが、ファーストレグに続いてセカンドレグでも出番はなかった。

 この後、17日には準々決勝の組み合わせ抽選会が予定されている。準々決勝ファーストレグは4月11日または12日、セカンドレグは18日または19日の開催予定だ。

【スコア】
ナポリ  3-0(2戦合計:5-0) フランクフルト
【得点者】
1-0 45+2分 ヴィクター・オシムヘン(ナポリ
2-0 53分 ヴィクター・オシムヘン(ナポリ
3-0 64分 ピオトル・ジエリンスキ(PK/ナポリ

“主砲”オシムヘンは2発で勝利に貢献 [写真]=Getty Images