(C)CoCoKARAnext

 巨人小林誠司捕手(33)が15日、ソフトバンクとのオープン戦ペイペイドーム)でオープン戦1号本塁打を放った。

 「8番・捕手」で先発出場した小林は1-1の8回一死、ソフトバンク3番手の古川侑利(27)の2球目の直球を一閃。左翼席へと運んだ。鮮やかなホームランには球場内から大歓声が沸き起こった。

【動画】今年は活躍が期待される小林のオープン戦1号弾をチェック

 嬉しそうにベンチでハイタッチする小林を原辰徳監督も満面の笑みで迎える。この日は5回にも左前打をマークしており、オープン戦打率は・429と高い数字を残している。

 昨年は1本も本塁打がなかった小林の鮮やかな一発に、ネット上では大盛り上がり。「世界のKOBAYASHI」が一時トレンド入りするなど、大きく注目を集めた。

 「世界のKOBAYASHI」とは2017年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表に選出されたときに、チームトップの打率.450を残し、主戦捕手として強肩も発動、国際試合で攻守ともに存在感を発揮したことからつけられたもの。

 一方、小林のその後のプロ人生は苦難の道を歩む。特に2020年の開幕直後に左手首に死球を受け、左尺骨を骨折。長期離脱したことがその後の打撃に影響を与えているともいわれている。

 昨年は60試合に出場し、打率148、0本塁打、5打点。2年連続1割以下(20年・056、21年・093)に終わった数字よりは上がったものの、打席に立つセ・リーグ捕手の数字としては依然物足りない。この点でいえば、数年来の課題となっている小林の打撃に浮上の兆しが見えているのはチームにとっても朗報だろう。

 そんな小林に対しては首脳陣の見る目も変化してきているという。原監督も小林の打撃に向き合う姿勢を評価、新しくチームに加わった大久保打撃チーフコーチの指導の下、しっかりバットを振り込んだことも実を結ぼうとしている。元々守備には定評がある。今季はWBC終了直後にシーズン開幕を迎えるとあって、現在侍ジャパンに派遣されている大城卓三(30)のコンディション次第では開幕マスクをかぶる可能性も出てきた。

 また、今季の投手陣の布陣も小林起用の追い風となりそうだ。この日の先発は開幕ローテーション入りを狙う新外国人左腕、メンデス(28)。4回3安打1失点と小林とのバッテリーで着々とアピールに励んでいる。チームにはほかにもビーディ(29)、グリフィン(27)と先発ローテーション入りが期待される投手が多く、これまでも外国人投手とは密なコミュニケーションを図ることで信頼を得てきた小林にとって、活躍の機会が増えると見られている。

 今季は4年契約の最終年。「死に物狂いでやるしかない」と決意を固めている小林の奮闘が投手王国再建には欠かせないピースともなる。さらなる活躍を期待したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【巨人】あるぞ、開幕マスク!小林誠司の巻き返しが確信される「理由」