セリエA第27節が19日に行われ、ラツィオローマが対戦した。

 勝ち点「49」で3位に付けるラツィオと、同「47」で5位のローマによる注目の“ローマ・ダービー”。ヨーロッパ・カンファレンス・リーグ(ECL)ではラウンド16敗退となったラツィオだが、リーグ戦では現在4戦負けなしと好調を維持している。宿敵相手に“シーズンダブル”を達成し、ポイント差を広げることはできるだろうか。対するローマは前節サッスオーロに敗れ、リーグ戦2試合ぶりの黒星。上位に食らいつくためにも連敗は避けたいところだ。

 ラツィオはペドロ、フェリペ・アンデルソン、マッティア・ザッカーニが前線を形成。そのほか、セルゲイ・ミリンコヴィッチ・サヴィッチやルイス・アルベルトなどが先発出場している。対するローマアンドレア・ベロッティやパウロ・ディバラ、ロレンツォ・ペッレグリーニ、ジョルジニオ・ワイナルドゥムらがスタメンに名を連ねている。

 試合の序盤は拮抗した展開に。ラツィオは細かいパス交換でボール保持率を高めつつ、相手陣内でのプレー時間を増やしていく。対するローマはしっかりとした守備ブロックを形成し、バイタルエリアへの侵入を許さない。18分にはレオナルド・スピナッツォーラが最前線のベロッティにロングフィードを供給。こぼれ球を拾ったワイナルドゥムがボックス手前から右足を振り抜いたが、シュートは枠の上へ外れた。

 直後の19分にはラツィオにチャンス。左サイドをドリブルで駆け上がったザッカーニがボックス内のF・アンデルソンにパス。F・アンデルソンは巧みなボールタッチで相手DFのタイミングを外し、右足でシュートを放ったが、このボールはローマのGKルイ・パトリシオにキャッチされた。29分には再び左サイドを突破したザッカーニが、カットインから右足を振り抜いたが、これもGKパトリシオに抑えられた。

 32分、ピッチ中央付近でのタッチミスでボールを失ったロジェール・イバニェスが、突破を図ったミリンコヴィッチ・サヴィッチを倒してしまい、この日2枚目のイエロカードで退場に。ローマは残り時間を10人で戦うこととなってしまった。その後はダービーらしい激しい攻防が続き、主審の笛が吹かれるシーンが増加する。数的優位のラツィオローマを押し込みながらも決定的なシュートを放つことができず、前半はスコアレスで終了した。

 後半も数的優位のラツィオがゲームの主導権を握る。57分にはL・アルベルトがボックス手前から右足で強烈なミドルシュートを放つも先制点とはならず。62分には敵陣内でのボール奪取からショートカウンターを発動し、ボックス内に侵入したペドロがシュートを放ったが、タイミング良く距離を詰めたGKパトリシオに阻まれ、ネットを揺らすことができなかった。

 65分、ついにラツィオがスコアボードを動かす。敵陣左サイドの深い位置で複数人が絡む見事なパスワークを見せると、ボックス内左に抜け出したザッカーニがゴール右下隅に冷静に流し込みネットを揺らした。数的優位のホームチームが先制に成功する。ビハインドを負ったローマは直後の67分、敵陣でFKを獲得すると、ゴール前での混戦から最後は途中出場のタミー・アブラハムがネットを揺らしたが、VARの結果、オフサイドで得点は認められなかった。

 何としても1点を返したいローマは、次々と攻撃的な選手を投入。両サイドからのクロスを多用しラツィオゴール前に迫っていく。最終盤にかけてはリスクを負って攻勢を強めるが、ラツィオも集中した守備対応を見せ、決定的なチャンスを作らせない。なかなかシュートまで持ち込めぬまま、時計の針が進んでいく。

 試合はこのまま1-0で終了し、競り勝ったラツィオリーグ戦2試合ぶりの勝利を飾り、宿敵相手へのシーズンダブルを達成した。敗れたローマリーグ戦2連敗となっている。次節は4月2日に行われ、ラツィオはアウェイでモンツァと、ローマはホームでサンプドリアと対戦する。

【スコア】
ラツィオ 1-0 ローマ

【得点者】
1-0 65分 マッティア・ザッカーニ(ラツィオ

決勝ゴールを記録したラツィオのザッカーニ [写真]=Getty Images