胸,貧乳

寂しい暮らしを続けるうちに、「私は男として生まれるべきだった」と信じるようになった少女。そこで手術も受けたが、再び女性として暮らすようになるまでの経緯を、アメリカのメディア『New York Post』が紹介している。

■孤独だった少女時代

アメリカで暮らす女性(25)は複雑な家庭の出身で、友達もなかなかできない孤独な少女だった。

心の拠り所になったのはインターネットで、会ったこともない大人たちと連絡を取り合うようになり、たまたま知ったトランスジェンダーのコミュニティにも魅了された。


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■15歳で男として生きることに

12歳になる頃には、「男になりたい」という感情を自覚。さらに14歳の頃に性的暴行を受け、「私が女だからこんな被害を受けたのだ」と思い悩むようになった。

相談した専門家も「あなたは男の子」とあっさり診断を下したため、女性は15歳にしてホルモン剤の使用を開始した。するとヒゲも生え外見は男性に近づいたが、女性は自分の精神状態が良くないことを自覚していた。


■18歳で受けた乳房切除術

18歳になると手術を受け、両方の乳房を切除。ネット上の仲間にも注目され、ますますSNSに依存するようになった。しかしそのせいで正しい情報の選択が困難になり、「数年後にトランスジェンダーが大虐殺される」という噂を信じてしまったのだという。

女性は家を出て、ネットで知り合った仲間と同居を開始。3年も一緒に暮らしたが、たまたま優秀なセラピストに出会い、「体にメスを入れても根本的な問題は解決できなかった」と気づいた。

■再び女性として生きる決意

そこでホルモン療法を中止し、再び女性として生きることを決意。体に傷が残ったほかホルモン療法の影響にも苦しんでいるが、今は大学に通い、セラピストになるための勉強に励んでいる。

このような経験を経て、女性は「(自分はトランスジェンダーだと感じても)手術や薬の服用については25歳まで待ったほうがいいと思う」「その頃まで脳の発達は十分とは言えませんから…」と述べた。


■治療を後悔する人たちも

治療を望む人はSNSの情報を鵜呑みにせず、まずはじっくり考えて優秀な専門家によるカウンセリングを受ける必要がある。「もし治療を後悔しても、中断すればすぐに元に戻れるから心配は不要」といった内容のSNS情報も海外で拡散しているが、そのような事実は立証されていない。

実際に治療に救われたという人も多い一方で、若くして決断を下した人たちが「早まった」として医師たちを提訴するケースが海外で問題になっている。当事者の幸せにつながる最高の選択ができるように、関係者や医師、カウンセラーなどの協力を望みたい。

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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原

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