春先に増えるクルマのトラブルのひとつが「飛び石」です。石がガラスに当たってヒビが入り、修理のため痛い出費を被ったという人も。自分の意思では避けにくいトラブルですが、そもそもなぜ春に飛び石が増えるのでしょうか。

「飛び石でガラス割れた」被害続出

「飛び石喰らってガラスの修理代10万ですって」
「フロントガラスにヒビ入って修理して納車して2日後に助手席側に飛び石でヒビ」
「また飛び石くらった先月も飛び石で亀裂入って15万かけてフロントガラス付け替えたばっかなのに」

2023年3月現在、SNSを中心に、クルマへの「飛び石」でガラスが損傷したという投稿が多くみられます。自分で防ぐことが難しい偶発的な損害のため、「自分のせいじゃないのにお金払うの意味が分からない」「まじ行き場のない気持ちすぎて泣いてる」など、悲痛な叫びも。

実は飛び石は、春先に増える傾向があり、ガラスの補修依頼が最も多いのが3月といわれます。特に多いのは寒冷地。積雪が溶けて路面が渇き、冬の間に滑り止めとして撒かれた砂や砕石が多く残っているためです。

また、この時期は冬タイヤの使用末期にあたります。寒冷地のガラス補修ショップによると、冬タイヤはゴムが柔らかく、溝に小石を挟みやすいのだそうです。大型車の大きなタイヤも小石を挟みやすく、「大型車の後ろにはなるべくつかないように」と話します。

ボディに当たっても塗装をおかす大きな被害を与えますが、ガラスに当たると、ひびの大きさ次第ではガラス交換ということになりかねません。特にスピードがでている高速道路での飛び石は破損率が高いそう。

ガラスの傷が小さくても、気温差や振動でひび割れが伸びていくこともあるため、早めにディーラーや修理店へ相談したほうがよいといいます。樹脂注入で修理できるケースもあるものの、ひびが500玉くらいまで広がってしまうと、ガラスを交換せざるを得ないそうです。

フロントガラスにひびが入ったクルマのイメージ(画像:Harry Huber/123RF)。