日韓首脳会議の後、岸田総理と韓国の尹錫悦大統領は、庶民的な(本当の庶民は行けないお値段ではあるが)お店で、会食と会話を楽しんだ。

 その中央にあったのは、俳優の松重豊さん演じる井之頭五郎さんが、知る人ぞ知る飲食店で庶民の味(ここらは、本当に庶民が行けるお値段~ただ、五郎さん食べすぎでも、太らない)を満喫する「孤独のグルメ」だったらしい。

 尹大統領は「孤独のグルメ」の大ファンで、原作漫画もドラマもじっくり見ている様子。最初のお店でのすき焼きと〆の稲庭うどんは「孤独のグルメ」チックではなかったらしく、さらに、2人とも話し切らなかったらしく洋食店に場を移した。オムライスにハンバーグ、ハヤシライス…熟年60歳過ぎて健康診断の結果が気にならないのかと思うほどの食欲で、2人は親交を深めたのだろうか。

 尹大統領は細かなエピソードまで覚えているようで、それに岸田総理が「行ったことある!」と答えたかは不明だが…おそらく、日本の国会議員は、地元選挙区のお店はやや詳しくても、本当の庶民が行くチープでもうまい店には行かない。知っている顔してうんうんとうなづいていたのだろう。

 尹大統領は、赤札のユニクロTシャツを普段着にしているし、気さくに街にも出かける。心まで知っているかは謎だが、庶民の味は知っている。独身貴族が長く自分で料理もするから。

 我が国の総理大臣が「夕飯の支度の後戻ります」と国の重要会議を中座したらどれほど叩かれるかわからない。しかし、少なくとも世襲の議員が増えるたびに、庶民がなんたるかを知らなくなる。五郎さんが、総理大臣にならないかな~。

内閣広報室提供写真(2023年3月16日)