筒井真理子が主演を務め、映画作家、荻上直子監督がメガホンをとる映画『波紋』が、5月26日(金)より公開されることが決定。あわせて本予告映像、本ビジュアルが解禁となった。

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荻上監督のオリジナル最新作にして、監督自身が歴代最高の脚本と自負する絶望エンタテインメントとなる本作。主人公は、“緑命会”という新興宗教を信仰する須藤依子。日々祈りと勉強会に勤しみながら、ひとり穏やかに暮らす依子と須藤家を通して、現代社会の闇や不安と女性の苦悩を淡々と、ソリッドに描きだす。放射能、介護、新興宗教、障害者差別といった、誰もがどこかで見聞きしたことのある現代社会の問題に次々と翻弄される須藤家は、まさに社会の縮図。依子を筒井が演じるほか、光石研、磯村勇斗、柄本明、キムラ緑子、木野花、安藤玉恵、江口のりこ、平岩紙ら実力派俳優陣が筒井の脇を固める。

今回解禁となった本予告映像は、日々の家事や介護をこなす所謂一般的な主婦である依子(筒井)の元から、夫の修(光石)が突然失踪するシーンから始まるもの。十数年後、信仰する新興宗教が崇める「緑命水」という水の力と、庭の枯山水に波紋を描くという日課を心の拠り所とし穏やかな日々を取り戻していた依子のもとに、失踪した夫が帰ってくる。自分の父の介護を押し付けたまま失踪し「実はがんなんだよ」と死んだ義父の遺産をあてにする夫、また、息子の拓哉(磯村)が障害のある彼女を結婚相手として連れてくるシーンなど、依子の日常が崩れていく様子が描かれていく。さらに新興宗教に傾倒する依子に「インチキなんだよ!」と怒鳴る夫に、「あなたがしたこと、なかったことにはならないから」と詰め寄る依子。言いあう2人の足元に広がる波紋は、不穏で禍々しい展開を予感させる。

またあわせて解禁された本ビジュアルは、背景に広がる赤と、依子の喪服、枯山水のモノトーンの対比が印象的なもの。揺れるタイトル文字が、依子の周囲で起こる絶望が波紋のように広がる様子を暗示している。

荻上監督が人生最高の脚本と自負する本作ではどのようなドラマが展開するのだろうか?日本を代表する俳優陣が織りなす絶望エンタテインメントの公開に期待が高まる。

文/鈴木レイヤ

絶望が波紋が広がるような『波紋』本ビジュアルが解禁/[c]2022 映画「波紋」フィルムパートナーズ