頼りになるベストフレンドをがんで亡くした1歳の犬が今月初め、初めてひとりぼっちで留守番をした。そして家族が帰宅すると、愛犬は洗濯物が入ったままの洗濯機の中に潜り込んでいたという。ちょっぴり切ないその理由を、英ネットメディア『The Daily Star』などが伝えた。
ドイツ、バイエルン州出身のパトリシア・ラッセルさん(Patricia Russell)が今月5日、愛犬家グループのFacebook『Dogspotting Society』に“ピドゥル(Piddle、1)”というニックネームのオスのチワワの写真を投稿したところ、多くの人の涙を誘った。
写真は、ピドゥルが数枚の衣類が入った洗濯機の中にじっと座っているもので、表情に明るさは見られずどことなく寂しそうだ。
パトリシアさんによると、ピドゥルはその日、親友だったメスの“グレイシー(Gracy)”が亡くなって以来初めて、ひとりぼっちで2時間ほど留守番をしたそうだ。そして一家が帰宅すると、洗濯機の中に潜り込んでいたという。グレイシーはチワワ、バセンジー、ラブラドール・レトリバーの血を引く保護犬で、数日前に安楽死されたばかりだった。
パトリシアさんは「ピドゥルを我が家に迎えたのは昨年だったの。愛犬“ステラ(Stella)”を15歳で亡くし、夫が酷く悲しんでね。彼へのサプライズとして迎えたのよ」と語ると、当時をこう振り返った。
「家にやって来たピドゥルは、当時9歳だった老犬のグレイシーを一目で気に入り、べったりだった。よくグレイシーの耳をペロペロ舐めていたものよ。」
「一方のグレイシーはというと、最初は落ち着きのないピドゥルにウンザリした様子だった。そればかりか、私たちが新しい犬を迎えたことに腹を立てていたのよ。ただ姉御的存在のグレイシーは小さなピドゥルを忍耐強く、そして優しく見守っていたわ。慣れるまでは時間がかかったけどね。」
そんなグレイシーの体調が急変したのは今年2月28日のことで、全く食事に手をつけず、獣医に診てもらうとがんが全身に広がっていることが判明した。パトリシアさんは「その日まで、がんの症状は全くなかったの。ただグレイシーの体調は急激に悪化してしまって。3月3日に安楽死させることが決まったわ」と明かすと、このように続けた。
「3月2日の晩だった。グレイシーは激しい痛みに襲われてね。『もうこれ以上苦しませたくない』と、(予定を早めて)その日のうちに安楽死させたの。」
なおそんな中でもピドゥルは、グレイシーのそばを最期まで離れようとしなかったそうで、獣医がグレイシーに近付きすぎると吠えて威嚇するほどだったという。
パトリシアさんはグレイシーが亡くなった後のピドゥルについて、このように述べている。
「ピドゥルはあれ以来、打ちひしがれ、孤独と闘っているようなの。思えばピドゥルは、いつもグレイシーと一緒でひとりぼっちになったことがなかったのよね。」
「ピドゥルが洗濯機の中に隠れていたあの日、私は子供たちをサッカーの練習に連れていき、ピドゥルは初めて自分だけで2時間ほど過ごしたの。」
「ピドゥルが洗濯機に潜り込んだのは、中に入っていた服に私たちの匂いがしたからだと思うの。それに狭い空間の中に身を隠すことができたから…。そんな姿を見て、私は胸が張り裂ける思いだったわ。」
ちなみにパトリシアさんはその後、ピドゥルにテディベアのぬいぐるみをプレゼントし、一緒に外出できない時は寂しくないように音楽を流したり、ペットカメラを設置して様子を見ているという。
パトリシアさんは「ピドゥルは新しい環境に適応しようとしているけれど、私たちのそばを離れないわ。それに今でもグレイシーを見つけようとしているの。以前はよく、グレイシーとリスを追いかけまわしていたから、リスを見ると特に酷いわね」と明かしたが、嬉しいニュースもあるようだ。
「実は今月末までに、ラブラドール・レトリバーの“ジェシー(Jesse、1)”を迎える予定なの。私たちは、ピドゥルがジェシーと仲良くやってくれることを願っているわ!」
なおパトリシアさんの投稿には「洗濯機に入ったピドゥルの目が悲しそう」「心が折れてしまったのね」「もしかしたら、洗濯機の中の服にはグレイシーの匂いがついていたのかも」「ピドゥルを見ているだけで胸が張り裂けそう」「これは飼い主にとってもつらいね」「2匹はとても強い絆で結ばれていたのね」「新しい友達を迎えることはとてもいいことだと思う」「一刻も早く心が回復することを祈っているよ」といったコメントが寄せられている。
画像は『Patricia Marzell 2023年3月5日付Facebook「Edit : thank you everyone for all the love」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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