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計画文書がリーク 新たな枠組み創設か

EU(欧州連合)は2035年にエンジン車の新車販売を事実上禁止する法案を採択したが、eフューエル(合成燃料)を使用すれば引き続きエンジン車を販売できる可能性がある。

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英ロイター通信が入手したリーク文書によると、eフューエルだけを使用する車両の新しい枠組みを作る、というアイデアが出されているという。

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欧州委員会はeフューエルのみを使用する車両カテゴリーの新設を検討しているようだ。

eフューエルは、大気中から回収したCO2と水素から作られる合成燃料の一種で、現在のガソリンや軽油よりも環境負荷が低いとされる。合成燃料は一般的に、既存の車両にも無改造で使えるというメリットがあり、ポルシェマツダなど複数の企業が開発に取り組んでいる。

EUにおけるエンジン車(乗用車、小型商用車含む)の新車販売の禁止措置は、今年2月、欧州議会2035年という期限を設けて導入することを決議し、正式に合意された。

この法案により、自動車メーカーはEU内で販売される新車のCO2排出量を100%削減することが義務付けられる。ただし、年間生産台数が1000台未満の小規模メーカーは対象外となる。これに対し、自動車業界だけでなく、EU加盟国からも異議を唱える声が上がっている。

法案採択の後、ドイツ政府がEUに対し、2035年以降もeフューエルを燃料とするエンジン車の販売を認めるよう要求した。ドイツミヒャエルテューラー運輸長官は、eフューエルを再考し、排出量を減らすために効果的に使用できるかどうかを検討するよう促している。

ロイター通信が伝えるところによると、欧州委員会は流出した文書についてコメントしなかったが、「eフューエル車の登録に関するいかなる提案も、エンジン車の段階的廃止法が最終的に採択された後にのみなされる」と述べたという。

フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOは先週、ドイツとEUの間の意見相違を、EVへのシフトという「論点から目をそらす」「不必要なノイズ」だと批判した。フォルクスワーゲン・グループは、ポルシェを通じてeフューエルに多額の投資を行っているにもかかわらず、である。


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