4月の統一地方選を前に、日本財団は「地方議会」をテーマに55回目の18歳意識調査を実施しました。選挙が予定されている地域に住民票がある18歳以上の若者のうち、選挙があることを認識していたのは約15%、うち8割超が投票する意向を示していますが、単純推計すると実際に投票に行く若者は12%前後に留まる計算になります。

 地方議会の役割については、半数近くが「知らなかった」としているほか、都道府県議会や市区町村議会が「その役割を果たしているか」の問いにも、2人に1人弱が「わからない」と答え、若者の関心の低さを示しています。

地方議会の役割について、あなたが知っていたものをすべて教えてください

 地方議会に期待することとしては、「住民の意見・要望を聞く機会を設ける」「住民が困っていることなどの相談を受ける」などが上位に挙がり、今後、議員のなり手を増やす試みとしては「若者や女性の議会進出を促進する」などの意見が高い数字となっています。

地方議会に期待することは何ですか

 本調査の結果を受けて、日本財団の担当者は以下のように述べました。

「若者の半数以上が地方議会で『目にした・関与したことのある活動は特にない』と回答しており、地方議会への理解度・関心度が低い実態が明らかになった。『当選する人がいつも決まっている』『他に立候補者がいない』など、そもそも投票先の選択肢が少ない上、投票に行ってもどうせ現状は変わらないというような無力感も読み取れる。地方議会は生活に直結する身近な施策や予算を決めている機関。4月に投開票を控える統一地方選の時期に限らず、議員や自治体は若者へ積極的な関心喚起を行う必要があるのではないか」

■18歳意識調査「地方議会」の概要
調査対象 全国の17歳~19歳男女、計1,000名
実施期間 2023年2月22日(水)~2月27日(水)
調査手法 インターネット調査
調査結果 詳細は以下にて公開中
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2023/20230317-86301.html

■18歳意識調査とは
民法の改正に伴い2022年4月に成人年齢が18歳となり、次代を担う若者の意識を知り、記録する重要性が高まっている。日本財団は選挙権年齢の引下げを受け、2018年10月から全国の17~19歳1000人を対象にインターネットで価値観、政治・選挙に対する態度、社会課題の理解などを継続的に調査している。
「18歳意識調査」のプロジェクトページ

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