アメリカの住宅地で犯人と警察の緊迫した睨み合いの中、何の躊躇もなく荷物を届けに来たアマゾン配達員が話題となっている。配達員は危険を顧みず目的の集合住宅へ向かうも、途中で警察の特殊部隊員に手渡していた。米ニュースサイト『New York Post』などが伝えている。

米ノースカロライナ州ケーリーで現地時間2月21日の午後10時半頃、息子を人質にとった男が集合住宅に立てこもる事件が発生した。現場では地元警察に加え警察の特殊部隊が住宅を包囲し、男を降伏させるためのあらゆる手段が取られた。

警察官は犯人の男に電話で説得を試みるもうまくいかず、犯人と警察の睨み合いは翌日まで続いた。すると警察が包囲する中で、アマゾンの配達員が犯人の立てこもる集合住宅へ歩いていった。手に小包を持っていることから、どうやら配達員は犯人のいる集合住宅の住人に商品を届けに来たようだ。

この時の様子は近隣住民が撮影しており、動画には緊迫した空気の中で警察の特殊部隊員が唖然としたように配達員を見守る姿が映っている。また撮影者とみられる女性の「アマゾンは働き過ぎのようです。この睨み合いの中、荷物を届けようとしている」という声が聞こえてくる。

配達員は何台もの警察車両の間を縫うようにして届け先の集合住宅に向かっていく。しかし途中で警察官に止められてしまい、配達員は商品の小包を警察の特殊部隊員に手渡してその場を離れることにした。ところが彼の仕事はこれで終わりではなかった。

配達員は最後に、配達が完了したことを購入者に知らせるため「置き配」の写真を撮っていたのだ。

その時の動画はTikTokユーザーの「ASAM」さんが今月18日に投稿しているが、これまでに690万回以上の視聴回数を記録し、このようなコメントが寄せられた。

アマゾンはこの人をマネージャーに昇格させて給料を上げるべきだ。」
「警察はこれで『Amazonプライムを持ってきた! 手をあげて出てこい!』って犯人に言えるね(笑)」
「雨の日も雪の日も、警察が立ち入りを禁止しても届けてくれるって、最高のカスタマーサービスだよ。」

ほとんどの人がこの配達員の男性に称賛の声を送っていたが、かつてアマゾンの従業員だったという男性からは「アマゾンの配達ドライバーとして働いていました。すべて配達しないと大変なことになるんだ…」と過酷な労働状況が垣間見えるようなコメントも届いていた。

ちなみに今回の立てこもり事件だが、24時間に及ぶ膠着状態が続いたのち犯人の男が自殺、人質だった11歳の息子は軽い怪我をしたものの無事に保護されたという。

画像は『ASAM 2023年3月18日付TikTok「Go #amazon」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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