
2023年3月21日に発表された「年次世界幸福度レポート」で、北欧フィンランドが6年連続で「世界で最も幸せな国」ランキングの第1位を獲得した。
世界の幸福度ランキングは、世界に存在する195か国中137か国で実施された調査をもとに、国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」が発表している報告書で算出されている。
トップ上位になった8か国は、主に西ヨーロッパで、日本は去年の54位から少し順位が上がって47位となった。
「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」の報告書は、アメリカのギャラップ社によって調査された各国の主観幸福度(自分が幸せだと思うかを0~10で答えてもらうというアンケート調査の平均値によって算出されており、以下の6項目を加味して順位付けがなされる。
・一人当たり国内総生産(GDP)
・社会保障制度などの社会的支援
・健康寿命
・人生の自由度
・他者への寛容さ
・国への信頼度
このうち、1~3は「物質的な豊かさ」、4~6は「精神的な豊かさ」を表している。
つまり、幸福度ランキングは、物質的な豊かさと精神的な豊かさのバランスが良い国が上位にランクインするということだ。
2023年度の各国の幸福度を色別で表した地図 / image credit:worldpopulationreview
2023年度の世界幸福度ランキングトップ10
1位 フィンランド
2位 デンマーク
3位 アイスランド
4位 イスラエル
5位 オランダ
6位 スウェーデン
7位 ノルウェー
8位 スイス
9位 ルクセンブルク
10位 ニュージーランド
ご覧の通り、リストによると最も幸せな上位8カ国は、西ヨーロッパがランキングのほとんどを占めている。
6年連続してランキング1位を獲得しているフィンランドだが、その要因は複数あるようだ。
フィンランドに住む人々は、市民の共同体のサポートと相互信頼に対する強い感情がコロナのパンデミックを乗り切ったと考えている。
また、個人の自由選択を強く感じていて、それが社会組織のなかで個人を尊重する仕組みに生かされ、日々のワークライフも充実しているという。
研究の著書では、「北欧諸国は、個人的にも組織的にも一般的に信頼度が高い」ことが、1人1人の幸福を維持できる秘訣になると綴られてある。
ちなみに、アメリカは 15 位で、今年はドイツ、イギリス、フランス、コスタリカを上回り、2021 年の順位よりも 4 つ順位を上げた。
[もっと知りたい!→]2015年度版世界の幸福度ランキング、1位はスイス、日本は46位

最も幸福度が低い国はアフガニスタン
ランク付けされた 137 か国のうち、アフガニスタンは最も幸福度が低い国と見なされ、レバノン、シエラレオネ、ジンバブエ、コンゴ民主共和国が僅差でそれに続いた。
お金で幸せは買えないという言葉をよく耳にするが、お金がないことが大きな要因になる可能性もある。
報告書によると、フィンランドの貧困率が12%であるのに対し、例えばアメリカは18%、アフガニスタンは 55%の貧困率 だった。
北欧の国とその隣国であるデンマーク、アイスランド、スウェーデン、ノルウェーはすべてにおいて、非常に高いスコアを獲得している。

日本は47位、ウクライナは108位
ロシアとの戦争で荒廃したウクライナは、過去1年間に国が経験した苦しみと損害の大きさにもかかわらず、ランキングが108位になった。
ウクライナの2022 年 9 月の人生の評価は、2014 年の併合後よりも高いままであり、現在では、より強い共通の目的意識、慈悲心、ウクライナの指導者への信頼に支えられていると報告書では述べられている。
ちなみに、日本は去年の55位から少しランクが上がって47位になった。
調査では、世界中で およそ700 万人の命が奪われたコロナのパンデミックに取り組んでいた時でさえ、多くの人々が健全なレベルの「信頼、慈悲、社会的つながり」を維持していたことが明らかになっている。

調査の著者ジョン・ヘリウェル氏は声明の中で、このように述べた。
感情と人生の評価に関する平均幸福度と世界のランキングは、コロナの3年間驚くほど安定している。
この困難な時期でも、ポジティブな感情はネガティブな感情の 2 倍、ポジティブな社会的サポートの感情は孤独の 2 倍強かった。
なお、得点は市民だけでなく、その国の居住者からの回答に基づいているということだ。
References:Finland declared happiest country for sixth time in a row / written by Scarlet / edited by parumo

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