セクシー女優タレント業。肩書きと知名度を活かし、美容、飲食などさまざまな事業に励むセクシー女優の数は増加傾向にある。現役・引退問わずセクシー業界とは異なるフィールドで活躍していると、思いもよらぬところから注目を浴び、一気に爆発することもあるだろう。

 なぜ女優たちは別方面での挑戦を始めるのだろうか。そして女優名を活かした事業に本人たちがどのくらい関与しているかなど、皆さんの“気になる部分”をぶっちゃけていこうと思う。

◆元セクシー女優が手がける事業は今に始まった話ではない

 元セクシー女優が新たな方面へ進むべく、事業を始める——。女優への偏見が減っている時代だからこそ注目を浴びやすいが、実は今に始まった話ではない。以前から「女優の〇〇プロデュース店」「元女優の〇〇が開業」のような事例は多少なりともあった。

 ただSNSもなく、業界にグレーな印象が強かったのもあり、あくまで知っているのは一部のファンのみ。実際に“セクシー系”とは何ら関係のない事業にチャレンジする人も多くはなく、昔は“バズる”といった概念もなかったため、彼女らの動きを世間に浸透させるのは非常に難しかった。

 現代ではむしろ、セクシー女優という仕事が一つのステップとなっている部分も。移り行く時代と共に、業界の人間たちの概念や考えにも変化が起きているのだろう。

セクシー業界を飛び越えた事業に挑む女優たち

 少し前の感覚なら、女優が業界の外へ羽ばたくことなど考えられなかった。たとえ事業を始めても夜のお店や成人向け玩具のプロデュース等で、多くの人が想像する枠を飛び越える事例は珍しかったのである。

 もともといた業界の延長線上にあるような仕事を選べば全く初めての事柄が減るので、のしかかる負担は軽いだろう。しかし、女優がそれをすると結局扱うのは“性”になってしまう。だからこそ、あえて枠の外で異なるジャンルへ飛び込んでいくのだ。

 先ほどの項目でも説明したが今現在は偏見の目も少なくなり、セクシー女優が新たな挑戦をしても温かく迎え入れてくれる人が増えた。彼女たちの努力はもちろんだが、環境の変化によって動きやすくなったのは紛れもない事実と言えよう。

◆〇〇プロデュースと言いつつ、本人はどこまで関与している?

 私は捻くれ者だったので、幼いころから「芸能人〇〇プロデュース!」といった飲食店やアイテムを全て信じていなかった。「本当に彼らがやっているのかよ」と完全に名義貸しを疑っていたからである。なんて可愛くない子どもなのだろう。

 たかなし亜妖の捻くれエピソードはさておき、多くの人が気になっているのが“本人関与”の部分。「〇〇プロデュース」や有名人の「〇〇が開業」と言えば聞こえは良いものの、一体どこまで本人が手がけているのかはかなり不透明ではないだろうか。

 いろいろな方面から刺される覚悟で真実を明かすと、名義貸しであるパターン4割、ちょっと顔を出す程度3割、本人が全てを手がけているが3割といったところ。少し前の時代だったら、名義貸しパターンが5割をゆうに超えていたものだ。

◆たくましい人は少数派

 最近は自分の名前が使われることに誇りと責任を持ち、何もかもを自分で行うケースも増えている。けれどもそんなたくましい人は少数派で、「声を掛けられたから名義貸しに承諾した」、「一応顔を出すけどオーナーは別」、「共同経営だけどお互いの仕事量に差がある(※つまり張本人はライトに働いている※)」のいずれかが多い。

 本人がガッツリ関与しているのとそうでないケースは、熱意と動きを見ていれば容易に判断できる。事業へ注力しているのならSNS上でのアピールや宣伝、発言に力が入り、のち事業展開など広がっていくだろう。そもそも事業がきちんと継続しているなら、それが立派な証拠ではないか。

 名義貸しなら重要事項だけを告知し、果たしてその文言も自分で考えているのか怪しげな雰囲気が漂うので非常にわかりやすい。それでいて開業後即ジ・エンドか、終わったのかさえわからないフェードアウトのような形なら、もうビンゴだろう。

セクシー女優の事業、本当に続くのか問題

 またも誰かから刺されそうな話題だが、続くか否かは本人“たち”の力にかかっているだろう。なぜ“たち”を強調するのかというと、共に働く仲間が安定する前に気を抜けばあっさりと倒れるからだ。こんなことはわざわざ私が説明しなくともわかると思うが……。

 またオーナーが別でいる場合や共同経営だと、お互いの意見が食い違って揉めるケースが多い。たとえ名義貸しだけでも契約期間中はさまざまなルールに縛られるため、約束をひっくり返せばトラブルに発展するのは当然のこと。オーナーとの関係がこじれて問題が起きるのも決して珍しくはない話である。

◆結局は本人次第

 結局のところ、女優本人が経営していても名義をポーンと投げているだけでも、本人がどれだけ頑張れるかという超シンプルな話。セクシー女優だから事業が続かない、なんてのは大きな誤解であり偏見だ。

 美容外科、夜のお店含む飲食店、アパレル……。女優たちがセカンドキャリアを自らの手で切り開く時代。今後は誰もが目をつけていない部分に挑戦する人物もきっと現れるだろう。

文/たかなし亜妖

【たかなし亜妖】
セクシー女優フリーライター2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。

―[元セクシー女優のよもやま話]―


元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」