
大切なペットがある日突然行方不明になってしまうことは、家族にとってとても辛いことだ。
過酷な繁殖をさせられるパピーミルから救出された犬は、ある一家に家族として迎え入れられ、とてもかわいがられて育ってきた。だが、7年後のある日、行方不明になってしまった。
まわりの協力を得て必死に探し続けた家族は、犬が森の中にいることを発見したが、なかなか保護することができなかった。
だが、ついに100日後に犬は無事に保護され、家族と再会することができた。今、家族と犬は100日間の苦悩を乗り越え、幸せに暮らしているという。
【画像】 パピーミルから救出した犬のレイア、家族と深い絆を結ぶ
Family adopted a perfect dog. Then a neighbor visit changed their lives.
アメリカ・メリーランド州に住む一家は、2015年にパピーミルから救出されたフォックスハウンドの子犬レイア(メス)を家族に迎えた。
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パピーミルは、子犬を乱繁殖する業者(悪徳ブリーダー)のことだ。その時々の人気の犬種を取り扱い、利益を得るための商品として無理な繁殖を行い、子犬を出産する為だけの『道具』として扱う。
パピーミルにいる犬たちは、適切な環境で育てられていないため、健康状態が悪く、十分な運動や社会化を受けられないため、行動異常を起こすこともあるという。
生まれてから劣悪な環境で暮らしてきたレイアだが、飼い主一家の深い愛情を受け、とてもよくなつくようになり、信頼関係を築き上げた。
7年後に隣人の家から抜け出し行方不明に
だが、7年後の2022年10月11日、レイアは突然行方不明になった。
その日、レイアのお父さんは隣家にレイアを連れて行った。後から別の訪問者がその家を訪れたのだが、その時にドアを開けっぱなしにしていて、お父さんが気付かない間にレイアはそこから出て行ってしまったのだ。
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お父さんは、レイアが鹿の匂いを嗅いでついて行ったのではないかと予測し、レイアを追跡したが、その時すでに、レイアは森の中で迷子になっていた。
レイアがいなくなったことをお父さんから聞いた家族は、すぐに全員で捜索を開始し、あらゆる場所を探しまわった。
しかし、レイアは見つからず、途方に暮れた。
レイラを探せ!たくさんの人の協力を得て大捜査
1週間経ってもレイアの消息がわからなかったため、一家は「もしかしたら誰かに盗まれたのかもしれない」とさらに不安を募らせるようになった。
それでも諦めずレイアを探し続けていた一家は、SNSを介して助けを求めることができる組織団体から連絡を受けた。
その団体が紹介したドナさんという人から連絡をもらった一家は、ドナさんのアドバイスに従って、「行方不明の犬を見つけてくれた人には報酬提供します」という看板を立て、広い範囲に情報提供を呼びかけた。
ドナさんは、これまでにも多くの犬を救済しているボランティアで、迷い犬の探し方も心得ていたようだ。
森で迷っていたレイアを発見するも警戒して逃げてしまう
こうした作戦が功を奏し、レイアは家からかなり離れた森にいたところを、ちょうどドライブで通りがかったカップルに発見された。
カップルはこの犬が迷子であることを知っており、家族に連絡をした。
家族はすぐに車で現場に向かった。すると15メートルほど離れたところで、空腹の様子で怯えて立っているレイアを見つけた。
ようやくレイアを家に連れて帰ることができる。そう思ったレイアのお母さんだが、近づいていくと、レイアは森の奥深くへと走って逃げてしまったのだ。
パピーミルにいたつらい記憶がどこかにあったのかもしれない。ずっと森で迷っていたことから、サバイバルモードに入っているかのようで、その警戒心はとても高かった。
レイアはは人間を見てパニックになったようでした。過去の辛い記憶が呼び覚まされたのかもしれません。
空腹でとにかく食べ物が必要だったはずですが、近づいてくる人間は脅威でしかなかったようです。
その後も、複数の人からレイアを見たと連絡を受けたのですが、レイアは1か所に留まることなく、森をさまよっていて、居場所をつかむことはできませんでした。(レイアのお母さん)
森の奥深くへと入ってしまった愛犬を再び見失った一家は、それから毎日森まで出向き、レイアを探した。
だが、一家だけではどうにもすることができず、ドナさんたちの協力を得て、罠をしかけて食べ物を置き、レイアを安全に保護できるよう取り組みを強化した。
また、より多くのレイアの詳細を記載した看板を広範囲に張り、目撃情報を求め続けた。
レイアの捜索が数日から数週間になり、時が経つにつれて、家族はレイアをもう家に連れ帰ることができないのではないかと思い、悲しみと痛みに襲われた。
100日後、ようやくレイアが家に戻ってきた
家族が悲しみの中にいた時、1本の電話があった。それは、レイアを見たという女性からのもので、一家に再び希望が湧いた。
それは、最初の目撃場所からかなり離れたところだった。
ボランティアのドナさんは、現場に向かうと大きなケージの中に食べ物を置いてカメラを設置し、今度こそレイアを保護できることを祈った。
ケージには、ポッサムがいたことも何回かあったが、ついにレイアが入っているという報せをドナさんから受けた一家は、大喜びした。
レイアは、私を認識した時「お母さん、家に連れて帰って」と言うかのように、ケージの枠に前足をかけました。
少しずつ、元の安心な暮らしを取り戻していったレイア
この経験は家族だけでなく、特にレイアにも大きな影響を与えたようだ。
レイアは、家に戻ってもしばらくは不安でナーバスになっている様子でした。ドアや出入り口を恐れているようにも見えました。
発見された時は痩せていましたが、少しずつ体重も回復しています。(レイアのお母さん)
一家は、レイアが家族の下で再び落ち着けるように、ゆっくりと時間をかけて接していったところ、レイアも徐々にもとの暮らしを思い出すようになったという。
現在、レイアのお父さんは別の場所に仕事で転勤になったため、レイアはお母さんと一緒に家にいる。
時々、お父さんが帰ってくると、レイアは嬉しそうに尻尾を振って出迎えてくれるそうだ。
お父さんとお母さんに甘える様子は、レイアが苦難を乗り越えて、元の愛情深いレイアに戻ったことがよくわかる。
レイアのお母さんは、レイアがとにかく無事で戻ってきてくれたことに心から安堵していて、「これからも、幸せに長生きしてほしい。捜索に協力してくれた人たちには本当に感謝しかない」と話している。
References:Woman spends 100 days trying to get beloved lost dog back from the forest/ written by Scarlet / edited by parumo

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