イギリス在住の男性はある日、彼女が飼っている金魚が水槽の底を這うように泳いでいる姿を発見した。この金魚は23歳と高齢で病気を持っており、自分の体を起こすことができないほど弱っていたのだ。そんな金魚の姿を見た男性がビキニの紐とコルクを使って簡易的な手作りライフジャケットを作ると、金魚は再び元気に水槽の中を泳ぎ回ることができたという。男性のユニークなアイディアには称賛の声が殺到していると、米ニュースメディア『Newsweek』などが伝えている。

英在住のエイダン・クラメールさん(Aidan Cramer)の彼女は、23歳と高齢の金魚“サリーSally)”を飼っている。金魚の平均寿命は10~15年と言われているが、適切に世話をしていれば30年も生きることが分かっている。平均寿命を大きく超えているサリーは大切にされてきたようだが、加齢には抗えず体調を崩していたので治療のための特別な水槽に入っていた。

金魚が分類される硬骨魚類には鰾(ひょう、うきぶくろ)と呼ばれる気体が入った器官があり、これを使うことで浮力を調節して泳ぐ深さを変えることができる。サリーを診察した獣医によると、サリーは鰾に問題を抱えていた。そのためサリーは自分の体を起こすことができず、体を横にしたまま水槽の底を這うように移動するしかなかった。

ペット用家具を製造販売する「Hepper」が運営するペット研究ブログによると、金魚の消化器官や鰾の健康問題は、グリーンピースを与えることにより解決に役立つことがあるという。そのためエイダンさんもサリーグリーンピースを与えて様子を見てみたが、高齢のせいかサリーの状態が良くなることはなかった。なかなか良くならないサリーの姿を見て心を痛めたエイダンさんは、「少しでも浮力があれば泳げそうだ」と考え、サリーのために手作りのライフジャケットを作ることを決めた。

ライフジャケットの材料としてビキニの紐とコルクの2つを用意したエイダンさんは、ビキニの紐で輪を作り、その上部にコルクを取り付けた。そしてサリーの体に合わせて輪の大きさを調節して装着すると、サリーは体を起こして再び元気に泳ぐことができるようになったのだ。

エイダンさんは特製ライフジャケット着用前後のサリーの姿を動画で撮影しており、着用前は体が真横になった姿勢のまま、尾びれを動かして必死に泳ごうとするサリーの姿が映っている。そしてカラフルビキニの紐にコルクが付いたライフジャケットが映し出された後には、ライフジャケットを身に付けて自由に泳ぐサリーの姿が確認できる。サリーは水槽の底にいても自力で泳いで水面に顔を出せるまでになっており、好きな深さまで泳ぐことができるようになっていた。

実はこの動画はエイダンさんが2016年11月6日にFacebookに投稿したものだったが、現地時間今月11日に自身のTikTokアカウントに投稿すると、再生回数が1千万回を超える大いに注目を集めた。コメント欄には「なんて素晴らしいアイディアだ」「金魚も嬉しそうにしているのが分かるよ」「商品化するべきだね」などエイダンさんのアイディアに称賛の声が相次いでいた。

今回エイダンさんのアイディアサリーは再び元気に泳げるようになったが、ペットの健康情報を発信する会社「PetMD」に水生動物獣医師として勤めるジェシー・M・サンダースさん(Jessie M. Sanders)は、「魚の体に何かを取り付けると、皮膚や粘液の分泌に悪影響を与える可能性があります。どんな種類のデバイスだとしても、長期的な治療の代わりにはなりません」と話しており、今回のライフジャケットのようなものを魚に取り付ける際には獣医とよく相談することを勧めている。

なお2019年7月には、病気で逆さまになってしまう金魚のため飼い主が専用の“車椅子”を作ったところ、寿命が延びたというケースが話題を呼んでいた。

画像は『Aidan 2023年3月12日付TikTok「The story of Sally the fish!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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