長年の使用で、券面の印字がかすれるなどし読みづらくなった交通系ICカードは、きれいにしてもらえるのでしょうか。この状態は、仮に使えたとしても、鉄道事業者としては問題アリのようです。

「記名」か「定期券」か確認

Suica」や「ICOCA」をはじめとした交通系ICカードは、いまや鉄道やバスの利用以外にも電子マネーとしてコンビニなどでも使えます。ただ、長年使っていると券面の印字がかすれるなどし、文字が読みづらくなることがありますが、券や印字をきれいにしてもらうことはできるのでしょうか。

例として「PASMO」を挙げると、発行元であるパスモは「PASMO事業者の駅にお申し出ください」としています。というのも、印字がハッキリ読めない状態は、たとえば振替輸送の際に目視で定期券の区間を確認できないなど、鉄道事業者の業務に支障をきたす可能性があるからです。かすれた印字を濃くしたいのであれば、駅窓口で再印字をお願いできます。手数料は無料です。

とはいえ券面のコーティング自体が経年劣化しているなどの場合は、再印字でも濃くならないことも。その場合は再発行の手続きとなります。なおこの際も手数料はかからず、デポジットも不要。正式には障害再発行といい、印字以外に「PASMOが破損した」などの際も同様の手続きです。

ただし「記名PASMO」と「PASMO定期券」とで取り扱いが異なります。「記名PASMO」はPASMO事業者の駅窓口で対応できますが、「PASMO定期券」の場合は発行した事業者のみで可能となります。

再発行に際しては、必要事項を記入した用紙と使用していた「PASMO」を提示。すると再発行整理票を受け取れるので、申請日翌日から14日以内に、再度PASMO事業者(「PASMO定期券」なら発行した事業者)で再発行整理票と使用していた「PASMO」を提示すれば、晴れて新しい「PASMO」と交換できます。

なお、再発行手続き中に公共交通機関を利用する場合は、古い「PASMO」と再発行整理票の2点を係員に提示する必要があります。ちなみに「Suica」についても、JR東日本では「みどりの窓口」で再印字や再発行が可能です。

印字が薄くなった交通系ICカードの例。