U-22日本代表は27日、スペインのムルシアで行われた国際親善試合でU-22ベルギー代表と対戦し、2-3で敗戦した。

2024年のパリ・オリンピックを目指す世代のU-22日本代表。大岩剛監督が率いるチームは、9月にカタールで行われるU-23アジアカップパリ五輪の出場権獲得を狙う。

今回の欧州遠征初戦でU-22ドイツ代表と2-2のドローゲームを演じたチームは、2023年初勝利を狙った一戦で先発7人を変更。GKに小久保玲央ブライアン、4バックは右から中村拓海、西尾隆矢、鈴木海音、加藤聖。2ボランチに川﨑颯太と藤田譲瑠チマ、2列目は右から松村優太、鈴木唯人、平岡大陽。1トップに木村勇大が入った。

一方、ベルギーではミランモナコに在籍するヴランクスとマタゾやアルメリアで主軸を担うラマザニ、国内リーグの強豪に所属するGKラメンズやフェルテッセンらがスタメンに名を連ねた。

引き続き[4-2-3-1]で臨んだ日本に対して、ベルギーは[3-4-3]でスタート。相手の圧力に晒されて立ち上がりから窮屈なプレーを強いられた日本は、早い時間帯にゴールを奪われる。

5分、後方でのビルドアップの場面で西尾の縦パスを中盤で引っかけられると、ペナルティアーク付近でボールを受けたラマザニに右足のダイレクトシュートをゴール左隅の完璧なコースに突き刺された。

ミスから2試合連続でビハインドを負った日本は、以降も相手の球際の強さとテンポの良いパスワークを前に後手を踏む展開が続く。その中で幾度もサイドで深い位置を取られて際どい攻めを受ける。

時間の経過と共にやや試合を落ち着かせることに成功したかに思われたが、再びミスから失点を喫する。20分、低い位置まで下りて縦パスを受けた鈴木唯人のバックパスが短くなると、これを奪ったラマザニのスルーパスに抜け出したフェルテッセンにボックス左から左足のシュートをニアに蹴り込まれた。

この2失点目をきっかけにベルギーがややペースを落とし始めた中、リスクを冒して前に出る日本。22分に相手GKのミスパスをカットした松村がファーストシュートを放つと、以降はセットプレーを中心に幾度か良いシーンを作るが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。

そういった中、大岩監督は32分に守備面で苦戦が続いた中村を下げて内野貴史を同じ右サイドバックに投入。以降は相手陣内でのプレータイムを増やした一方、攻撃の効率の良さでは相手に分があり、セットプレーの流れから迎えたピンチをGK小久保の好守で何とか凌ぐ。前半ラストプレーではボックス手前左の好位置で得たFKを鈴木唯人が直接右足で狙ったが、これは枠を捉えることができなかった。

迎えた後半、日本はハーフタイム明けに4選手を変更。松村と川崎、平岡、木村勇大を下げて、木村誠二と佐藤恵允、山本理仁、細谷真大を投入。可変式の[3-4-3]に並びを変えて前線は最前線に細谷、2シャドー佐藤と鈴木唯人が並ぶ形に。

ベルギーも大幅にメンバーを入れ替えたことで、後半は行ったり来たりの展開が続くと、日本がセットプレーから1点を返す。54分、右CKの場面でキッカーの加藤が左足インスウィングのボールをニアへ落とすと、木村誠二が冷静にバックヘッドでファーへ流すと、これを佐藤が右足ボレーで蹴り込んだ。

佐藤の2試合連続ゴールで1点を返した日本は、攻守にギアを上げて同点を目指す。相手のカウンターから決定機を作られるものの、臆せずに前に出ていくと、64分に待望の同点ゴールが生まれる。

中盤での山本のパスカットから落としを受けた藤田が右のハーフスペースで浮いた鈴木唯人にミドルレンジのパスを通す。そのままボックス右まで持ち込んで右足のグラウンダーシュートをゴール左下隅に突き刺した。

2-2のイーブンとなった試合は一進一退の攻防に。押し切りたい日本は80分に加藤を下げて西川潤を投入し、より攻撃的な布陣でゴールを目指す。

だが、86分には佐藤のバックパスを高い位置でシケに奪われると、西尾が交わされてボックス右からマイナスに折り返されると、ゴール前のファーセンにワンタッチで流し込まれた。

三度のミスで追う展開となった日本は失点直後に鈴木唯人を下げて山田楓喜を投入。後半終盤にはその山田が鋭い左足のシュートで2度ゴールに迫ったものの、3点目を奪うには至らず。

この結果、ベルギーに競り負けた日本は今回の欧州遠征を1分け1敗の戦績で終えることになった。

U-22ベルギー代表 3-2 U-22日本代表
ベルギー
ラマザニ(5分)
フェルテッセン(20分)
ファーセン(86分)
【日本】
佐藤恵允(54分)
鈴木唯人(64分)

U-22日本代表メンバー
GK
小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)
DF
中村拓海(横浜FC)
→内野貴史(デュッセルドルフ)
西尾隆矢(セレッソ大阪)
鈴木海音(ジュビロ磐田)
加藤聖(V・ファーレン長崎)
→西川潤(サガン鳥栖)
MF
松村優太(鹿島アントラーズ)
佐藤恵允(明治大学)
川﨑颯太(京都サンガF.C.)
→山本理仁(ガンバ大阪)
鈴木唯人(ストラスブール)
→山田楓喜(京都サンガF.C.)
藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)
平岡大陽(湘南ベルマーレ)
→木村誠二(FC東京)
FW
木村勇大(京都サンガF.C.)
細谷真大(柏レイソル)

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